日本大百科全書(ニッポニカ) 「レインウォーター」の意味・わかりやすい解説
レインウォーター
れいんうぉーたー
James Rainwater
(1917―1986)
アメリカの物理学者。アイダホ州カウンシルに生まれる。カリフォルニア工科大学で物理学を専攻し1939年卒業。コロンビア大学に移り、1946年に博士号を取得後も大学に残り、1949年準教授、1952年教授となった。その間、第二次世界大戦中はマンハッタン計画(原子爆弾製造計画)に参加している。1951年から1953年、1956年から1961年と、二度にわたりコロンビア大学ネビス・シンクロトロン研究所の所長を務めた。
原子核の構造について研究を行い、1950年に新しい理論を発表した。その理論とは、原子核を構成している核子は、大多数が核の内部に、残りの少数が核の外部にあるとし、それぞれの核子が集団を形成し、互いに作用しあって原子核の変形をもたらす、というものであった。これはのちに、デンマークのA・ボーアとモッテルソンによって実験的に検証された。1975年に「原子核の集団運動模型の発見と原子核構造理論の発展」により、ボーア、モッテルソンとともにノーベル物理学賞を受賞した。
[編集部 2018年12月13日]