モニタリング・システム(読み)もにたりんぐしすてむ(英語表記)monitoring system

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モニタリング・システム」の意味・わかりやすい解説

モニタリング・システム
もにたりんぐしすてむ
monitoring system

放射線監視系をいう。放射線量や放射能を一定の時間間隔または連続して自動的に測定し、その値があらかじめ定められたレベルを超えたとき警報を発する機能を有するものを放射線モニター、または単にモニターとよんでいる。モニタリングシステムはこれらモニター類を結合して、中央で制御とデータ処理ができるようシステム化したものである。

 放射線のモニタリング、すなわち測定・監視は、その対象によって、個人の被曝(ひばく)線量を測定する個人モニタリングと、環境の放射線測定を行う環境モニタリングに大別される。個人モニタリング用測定器には、外部放射線を測定する電子式線量計等の個人線量計、手足等の放射性汚染を検出するためのハンド・フットモニターや人体内の放射能を測定するための全身カウンター(ホールボディカウンター)などがある。環境モニタリング用測定器としては、放射線量率測定のためのエリアモニター、大気中に浮遊する放射性塵埃(じんあい)やガス濃度を測定するダスト・ガスモニター、水中の放射能を測る水モニターがある。環境モニタリングの場合、これらモニターをあわせ設けたモニタリング・ステーションとよばれる施設野外適所に配置し、そこからのモニタリング情報を中央ステーションに無線または有線で送るシステムになっている。

[井澤庄治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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