翻訳|dosimeter
電離放射線にさらされた人体や物質がこれによって受けるエネルギーの量は線量(正しくは吸収線量)と呼ばれるが,この線量を測定する装置は,一般に線量計と呼ばれる。慣用的には,照射線量を測定する装置である照射線量計もしばしば単に線量計と呼ばれている。線量計の動作原理には,放射線によって物質中に引き起こされるいろいろな物理的または化学的変化が利用されるが,その主要なものとして,電離,写真フィルムの感光,発光,化学変化,温度変化などがある。
代表的な線量計として次のものがあげられる。(1)気体の電離を利用したもの ポケット線量計,電離箱式照射線量計など。(2)感光作用を利用したもの フィルムバッジ。(3)熱または光刺激による発光を利用したもの 熱ルミネッセンス線量計,蛍光ガラス線量計。(4)化学変化を利用したもの 化学線量計,例えばフリッケ線量計。(5)温度変化を利用したもの 熱量計。これらのうち,(1)~(3)のものは測定感度が比較的高いので,低い線量の測定に用いられる。
→放射線量
執筆者:山下 幹雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
放射能を測る装置のうち、放射線照射の度合いを表す吸収線量(国際単位系=SI単位はグレイGy)または照射線量を測定するための計器。吸収線量は、照射された物質の単位質量に吸収されるエネルギー(ジュール毎キログラム)で表されるが、人体に対する影響の度合いを示す場合には、線量当量(SI単位はシーベルトSv)で表される。線量当量は、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、X線、中性子線などの放射線の種類ごとに危険度因子を加味したものであり、そのために用いる無次元の係数は国際放射線防護委員会によって決められている。線量計の原理は、放射線によって空気や水などの中に生じた電荷の量を測定するものが基本であり、測定の目的、対象、必要精度などに応じていろいろな種類が用いられる。環境監視や被曝(ひばく)監視に用いる線量計に対しては法律に基づく検定が行われている。
[三井清人]
放射線の線量を測定するための装置.吸収線量を測定するものと照射線量を測定するものとに大別される.熱量計を用いる方法以外に,気体電離を利用する電離箱,比例計数管,ガイガー-ミュラー計数管,発光を利用するシンチレーション計数管,化学反応を利用する化学線量計,固体中の色中心・蛍光中心生成を利用する固体線量計,そのほか,写真乾板(フィルム),熱ルミネセンス線量計など,多種多様の放射線作用を利用した線量計がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…万年筆形をした電離箱線量計で,短期間の個人の被曝線量を測定する器具。所定の充電器により電離箱に電荷を与えておく。…
※「線量計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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