精選版 日本国語大辞典 「システム」の意味・読み・例文・類語
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各構成要素が相互にある種の関係をもちながら形成する一つの「全体」をさす。ギリシア語systēmaに由来する。古来、人間の客体認知カテゴリーの一つに、複数の要素からなる「ある全体」を指示する概念があったと思われるが、それらは個々の対象の性質に応じて、群、集合、全体、グループ、系などとよばれてきた。システムという概念は、こうしたさまざまな類似概念の間にある共通の構造(アイソモルフィズム)に注目して、近年、意図的にその理論的洗練が推し進められたものであり、ベルタランフィなどによって、GST(General Systems Theory=一般システム理論)として体系化されるようになった。その意味で、システム概念はきわめて抽象的なレベルに位置し、システムが、これを構成する個々の要素には還元不可能なある種の「創発的特性」emergent propertyをもつという主張を基礎にしている。
その抽象性のゆえに、システムそのものは個々の具体的領域に応じて、(1)その単位(要素)の決定において、(2)それらが形成する関係の種類の確定において、多様なバリエーションを示す。たとえば、力学的客体の相互引力関係としての太陽系から、個々の役割の機能的相互補完関係によって成立している社会集団に至るまでその適用範囲は広い。こうした考え方(概念化)を踏まえつつ、種々の領域でのシステム分析、システム工学が可能となったのである。
[中野秀一郎]
『W・バックレイ著、新睦人・中野秀一郎訳『一般社会システム論』(1980・誠信書房)』▽『新睦人・中野秀一郎著『社会システムの考え方』(1981・有斐閣)』
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…対象をシステムとして,すなわち部分が結合して構成される全体として認識したとする。部分をまたシステムとして認識することを繰り返せば,システム/部分の関係が下方に積み重ねられる。…
…それは大きな知的反響をよびおこし,《エスプリ》誌の〈野生の思考と構造主義〉の特集(1963)をはじめ,多くの雑誌がレビ・ストロースと構造主義を論じて,〈構造主義〉の時代の幕明けとなった。このような論議の高まるなかで,フーコーが《言葉と物》(1966)を,アルチュセールが《資本論を読む》《甦るマルクス》(ともに1965)を,ラカンが《エクリ》(1966)を,R.バルトが《モードの体系》(1967)を世に問い,その他文学批評の分野でも構造分析が行われ,いずれも何らかの形で〈構造〉ないし〈システム〉を鍵概念として近代西欧の観念体系を批判吟味する新しい構造論的探求を展開した。そして〈構造主義〉は,それまでの20世紀思想の主潮流であった〈実存主義〉や〈マルクス主義〉をのりこえようとする多様な試みの共通の符牒となった。…
…1951年刊行。〈システム〉の概念を人間行為にかかわる諸現象の分析に適用して〈社会体系〉という概念を確立し,この概念を方法論的に支えるものとしての〈構造‐機能分析〉理論を社会学に定着させた重要な著作である。〈システム〉の概念を社会現象に適用することは19世紀以来の社会有機体論および社会機械論によって行われてきたが,それらは多くの場合理論的抽象化が不十分で直接的アナロジーにとどまり,そのため社会学理論としての評価を受けるまでに至らなかった。…
…ギリシア語のシュステマsystēmaに由来する英語システムsystemなどの訳語。システムはほかに〈組織〉〈系〉などとも訳されるが,特に〈体系〉と訳される場合には,〈理論体系〉〈体系的思想〉などの用法から知られるように,通常は〈知識の組織〉を意味する。…
※「システム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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