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モラリスト モラリスト moraliste

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モラリスト
モラリスト
moraliste

モラルの問題にもっぱら関心を寄せる文筆家。広い意味では道徳哲学者や教化の理念を含んだ文学者をもさすが,一般にはフランスの特定の文人の系譜をいう。「モラルmoraleとは「習俗」 mœursに由来し,元来道徳というより人間の日常的なあり方をいう。

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デジタル大辞泉の解説

モラリスト(moralist/〈フランス〉moraliste)

道徳的な人。道徳家。
16~18世紀のフランスで、人間性と道徳についての思索を随想などの形で書き記した人々。モンテーニュパスカルラ=ロシュフーコーラ=ブリュイエールボーブナルグらをさす。

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百科事典マイペディアの解説

モラリスト

16―18世紀に輩出したフランスの著述家の一類型。人間の行動・ありようを鋭い観察眼と自在な表現とで活写し,省察した著者たちで,モンテーニュパスカルラ・ブリュイエールボーブナルグらが代表。
→関連項目サント・ブーブ

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世界大百科事典 第2版の解説

モラリスト【moralistes】

フランスで文学者のうち,特に人間の生き方を観察,描写して,人間の道徳的あり方を反省する作家を指して用いられる呼称。しかしより狭義には,エッセー,断章,格言等の比較的自由で短い表現形式で人間に関する省察を書き残した,作家・詩人でも劇作家でも小説家でもなく,また哲学者にも宗教家にも分類できない作家を指して用いられる。モラリストという語がこの意味で広く使われるようになったのは,19世紀になってからであり,リトレの《フランス語辞典》(1863‐73)は,モラリストを〈ムルスmoeursを取り扱う作家〉と規定している。

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大辞林 第三版の解説

モラリスト【moralist; moraliste】

道徳的な人。真面目な人。道徳家。
一六~一八世紀のフランスで、人間性と道徳に関する思索を随想風に書き記した一群の人々。モンテーニュ・パスカル・ラ=ロシュフーコー・ラ=ブリュイエール・ボーブナルグら。
の伝統を受け継ぎ、人間観察と心理分析に重きをおく作家。ジード・カミュなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モラリスト
もらりすと
moraliste

モラリストというのはフランス文学だけが使う、ある作家たちの傾向の総称で、この語は17世紀から使い始められた。その当時この語は、「現実の人間とか、社会などをあるがままに観察して、人間性とか風俗習慣などについてさまざまな考察を加えて、これを圧縮された、鋭利な文章にまとめ上げていく作家たち」に対して適用され、16世紀のモンテーニュ、17世紀のパスカルラ・ロシュフコーラ・ブリュイエールなどが、この範疇(はんちゅう)に属するものとされた。そしてその後さらにフランス文学は18世紀にはボーブナルグ、シャンフォール、19世紀にはジューベールJoseph Joubert(1754―1824)などのモラリストを生んでいる。
 しかし以上の分類は狭義のモラリストであり、今日ではさらに拡大して解釈され、フランス文学のなかで、とくに人間研究や心理探究に強い関心を示した批評家や小説家にまでも適用され、しばしば18世紀のモンテスキュー、19世紀のサント・ブーブ、メーヌ・ド・ビランMaine de Biran(1766―1824)、20世紀のジッド、バレリー、アラン、カミュなどまでも、モラリスト的な作家であるとか、モラリストであるといわれる。したがって、もっともモラリストから遠い作家ということを考えるときには、ロマン派の作家や、叙情詩人などの名が浮かんでくるのである。
 それでは狭義のモラリストたちは、どのような形で彼らの思想を発表したかというと、彼らは一般に小説とか詩のような形をとらないで、随想、箴言(しんげん)、格言、省察、肖像(性格描写)などの形で表現している。たとえばパスカルのなかには次のようなことばがある。「われわれの悲惨を慰めてくれる唯一のものは、気晴らしである。とはいえ、それこそ、われわれの悲惨のうちでの最大の悲惨である。なぜなら、われわれに自己自身のことを考えないようにさせ、われわれを知らず知らずのうちに滅びに至らせるものは、主としてそれであるからである」。またラ・ロシュフコーは、「美徳は、川が海の中に消え去るように、利害打算の中に消え去る」といっている。[土居寛之]
『ストロウスキー著、森有正・土居寛之訳『フランスの智慧』(1951・岩波書店) ▽大塚幸男著『フランスのモラリストたち』(1967・白水社)』

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世界大百科事典内のモラリストの言及

【徳】より

…その漢語の原義からすれば,〈徳〉は〈得〉に通じ心に得るものと解され,転じて人間の品性が人の道にかなったあり方に仕上げられ高められてあることを意味する。その限りでは,18世紀イギリスのモラリストたちが重視した仁愛benevolenceが最も基本的な徳である。一般的にいえば,人間が単なる動物的存在から脱して,動物的でもあるが同時に理性的でもあるという真の人間らしさ,人間としての優秀性を体得している状態が徳である。…

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