モレアス(英語表記)Jean Moréas

デジタル大辞泉 「モレアス」の意味・読み・例文・類語

モレアス(Jean Moréas)

[1856~1910]フランス詩人。ギリシャ生まれ。象徴主義の理論的指導者。のち、古典主義移行詩集スタンス」「情熱の巡礼」。

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精選版 日本国語大辞典 「モレアス」の意味・読み・例文・類語

モレアス

  1. ( Jean Moréas ジャン━ ) ギリシア生まれのフランスの詩人。象徴派の理論的指導者。一八八六年に「象徴主義宣言」を書き、のち古代の伝統にのっとったロマン派を結成した。代表詩集「スタンス」。(一八五六‐一九一〇

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改訂新版 世界大百科事典 「モレアス」の意味・わかりやすい解説

モレアス
Jean Moréas
生没年:1856-1910

ギリシア出身で,1882年以降パリで活躍した詩人。アテネ生れ。詩集《流砂》(1884)で詩壇に登場した彼は,まもなくデカダン喧噪を後にマラルメに接近,86年いわゆる〈サンボリスム宣言〉を発表して象徴主義の命名者となり,詩集《カンティレーヌ》を世に問うたが,以後R.ギルの〈器楽編成派〉との間に論争おこし,またやがて自由詩を去って古典復帰を志向した。91年〈ロマーヌ派école romane〉の樹立を宣言,中世フランス文学に芸術の源泉を求むべきことを唱え,またロンサールとプレイヤード派,マレルブの詩風をとり入れた。詩集《恋の巡礼》(1891)などを経たのち,《スタンス集》(1899-1901)にいたって彼本来の詩的資質が最もよく発揮された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モレアス」の意味・わかりやすい解説

モレアス
Moréas, Jean

[生]1856.4.15. アテネ
[没]1910.3.31. パリ
フランスの詩人。本名 Yannis Papadiamantopoulos。ギリシアの名門に生れ,1867年フランスに渡り,のち帰化。詩集『シルト』 Les Syrtes (1884) ,『情熱の巡礼』 Le Pèlerin passionné (91) などを発表して,象徴派の運動に参加。 86年雑誌『サンボリスト』 Le Symbolisteを創刊,同年『フィガロ』紙に「象徴主義宣言」を発表したが,やがてこの運動から離れ,91年モーラスとともに古代の伝統への回帰を目指した「ロマーヌ派」 école romaneを結成した。しかし,彼自身の『スタンス』 Stances (99~1901) を除いてこの派からはみるべき作品が出なかった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モレアス」の意味・わかりやすい解説

モレアス
もれあす
Jean Moréas
(1856―1910)

フランスの詩人。ギリシア、アテネ生まれのギリシア人。本名はパパディアマントポウロスPapadiamantopoulos。1882年以後パリに定住する。86年に「象徴主義宣言」を発表し、象徴派の詩論家の一人となる。やがて象徴主義を離れ、「ロマン語派」という一派をおこし、古典主義へ復帰する。六巻からなる晩年の『スタンス集』Stances(1899~1901、1920)が代表詩集。ほかに詩集『情熱的な巡礼』(1890)などがある。

[窪田般彌]

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世界大百科事典(旧版)内のモレアスの言及

【象徴主義】より


[文学]
 〈象徴主義(サンボリスム)〉という語が文学用語として広く使用されるようになったのは,1880年代のフランスにおいてである。とりわけ,86年9月8日の《フィガロ》紙に,モレアスが〈文学的宣言〉と題する文章を発表し,〈芸術における創造精神の現下の傾向を妥当に示すことのできる唯一のものとして,我々は〈象徴主義〉という名称をすでに提唱してきた〉と書いたのが,この用語を定着させる大きなきっかけになった。当時,ベルレーヌを敬愛する若い詩人たちによって,〈デカダン〉と名のるグループが結成される動きもあった。…

※「モレアス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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