モンマルトル(読み)もんまるとる(英語表記)Montmartre

翻訳|Montmartre

精選版 日本国語大辞典 「モンマルトル」の意味・読み・例文・類語

モンマルトル

(Montmartre) パリ北部の丘とその南側のふもとからなる地区サクレ‐クール寺院・サン‐ピエール寺院などがある。一八七〇年代、芸術家ボヘミアンが集まり、特有な雰囲気をもった歓楽街として発展画廊カフェーキャバレーが多い。

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デジタル大辞泉 「モンマルトル」の意味・読み・例文・類語

モンマルトル(Montmartre)

パリ北部、セーヌ川右岸にある地区。モンマルトルの丘があり、南麓は歓楽街。19世紀以降、各国の芸術家が集まった。丘の上にはサクレクール大聖堂がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンマルトル」の意味・わかりやすい解説

モンマルトル
もんまるとる
Montmartre

フランスの首都パリ北部の地区(カルチエ)。標高130メートルの丘で、かつてはブドウ畑や風車の連なる田園地帯であったが、1860年パリに併合されて以後、多くの文人・画家が集まり、歓楽街として発展した。いまも一部に19世紀の名残(なごり)をとどめる古い町並みが残る。頂上に11世紀ロマネスク様式のサン・ピエール教会と、ビザンティン様式の白いドームをもつサクレ・クール大聖堂(1876~1919)が建つ。大聖堂前のテラスからパリ市街が眺められ、その西のテルトル広場には観光客相手の画家が集まる。南麓(なんろく)のピガール広場、ブランシュ広場一帯はキャバレー、ムーラン・ルージュ赤い風車)をはじめとする歓楽街で、近くのモンマルトル墓地(1795開設)には、ハイネスタンダールゴンクール兄弟小デュマオッフェンバック、ベルリオーズら芸術家の墓が多い。

高橋 正]


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世界の観光地名がわかる事典 「モンマルトル」の解説

モンマルトル【モンマルトル】
Montmartre

フランスの首都パリの18区、セーヌ川右岸にあるパリ市街で一番高い丘。パリ市街を見渡すことができる。紀元272年ごろ、後にフランスの守護聖人となったパリ最初の司教聖デニス(サン・ドニ)と二人の司祭が殉教したことによって名づけられた「殉教者の丘」(Mont des Martyrs)がその名称の由来である。19世紀末にはユトリロ(Maurice Utrillo、1883~1955年)、ピカソ(Pablo Picasso、1881~1973年)、ルノワール(Pierre-Auguste Renoir、1841~1919年)などをはじめとする多くの画家たちが住んだところとして有名で、丘の上のテルトル広場には今日でも似顔絵を描く画家たちが集まる。また、モンマルトル周辺にはサクレクール寺院やモンマルトル墓地、世界的に有名なキャバレーであるムーランルージュなどがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンマルトル」の意味・わかりやすい解説

モンマルトル
Montmartre

フランス北部,パリの北部に位置する第 18区の地区。近代美術の発達をになった芸術家たちの村として有名。 19世紀後半以来,ゴッホ,トゥールーズ=ロートレック,ユトリロその他の芸術家が根拠地としていたが,現在でも多くの芸術家たちが住み,新しい芸術的活動の中心となっている。小高い丘の上にはサクレ・クール聖堂 (1876~1910) があり,また丘のふもとはムーラン・ルージュなどのある歓楽街モンマルトル大通りとなっており,美術館もある。

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百科事典マイペディア 「モンマルトル」の意味・わかりやすい解説

モンマルトル

パリ北部の丘陵地。1860年パリに編入,現在第18区に所属。20世紀以降詩人・作家・画家の居住が多い。多くの芸術家たちも埋葬されているモンマルトル墓地(1795年造営),丘の上にサクレ・クール教会(1910年完工)がある。
→関連項目パリ

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世界大百科事典(旧版)内のモンマルトルの言及

【エコール・ド・パリ】より

…パリに定住し制作した外国人芸術家の集団を指し,各時代にこうした集団が存在したが,この用語が用いられるのは,(1)13世紀,聖ルイ王の保護下に手写本彩飾画を制作した画派,(2)第1次大戦前後から第2次大戦前までの間の画家たち,そして(3)第2次大戦後の主として抽象的傾向の外国人画家たちに関してである。しかし,通常は,主として二つの大戦間のパリ,それもモンマルトル,モンパルナスで制作した外国人画家たちに用いられる。しかし,たとえばキュビスムにおけるピカソやフアン・グリス,あるいはシュルレアリスムのダリたちは,いずれも外国人画家であり,エコール・ド・パリに属するが,これらの明確な運動,グループに属したものを除外する場合が多い。…

【パリ】より

…市街地はセーヌ川流域の南北に広がり,北を右岸(リーブ・ドロアト),南を左岸(リーブ・ゴーシュ)と呼ぶ。市の南北周辺はゆるい丘陵地となり,ビュット・ショーモン,ビュット・モンマルトル,ビュット・シャイヨー,モン・パリ,モンパルナスなどの丘がある。
【市街】
 パリ市街は1859年まで1~12区の約15km2にすぎず,13~20区は郊外にあったが,現在はその全区域に加えて,パリ近郊3県のオー・ド・セーヌ,セーヌ・サン・ドニ,バル・ド・マルヌが,完全に市街地化して連なっている。…

【フランス】より

…しかしいったん通過すれば平坦な土地が広がり,視野を遮るものはミレーの絵のように教会の尖塔だけというようになる。もちろん,一部には一つ上の地層が削り残されて(残丘),パリのモンマルトルの丘のようにかっこうの見晴し台になる。またパリ南方のボース平野のように石灰岩を基盤とする台地は透水性が高く,小河川が少ない。…

※「モンマルトル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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