ボヘミアン(その他表記)bohémien

デジタル大辞泉 「ボヘミアン」の意味・読み・例文・類語

ボヘミアン(Bohemian)

ボヘミアに住む人の意》
ジプシーの異称。
社会規範にとらわれず、自由で放浪的な生活をする人。

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精選版 日本国語大辞典 「ボヘミアン」の意味・読み・例文・類語

ボヘミアン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Bohemian [フランス語] bohémien ボヘミアに住む人の意 )
  2. ジプシー(ロマ)の別称。
    1. [初出の実例]「英吉利西(イギリス)語でジプシイ。仏蘭西(フランス)語でボヱミヤンなぞと名をつけて」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉蛇つかひ)
  3. ( 形動 ) 世間一般の規範や型の外で自由に生きる人。また、型にはまらず自由なさま。特に一九世紀後半のフランスの一部の芸術家知識人社会に多く見られた。
    1. [初出の実例]「僕はボヘミヤンだ。君のやうなエピキュリアンぢゃない」(出典:路上(1919)〈芥川龍之介〉三〇)

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改訂新版 世界大百科事典 「ボヘミアン」の意味・わかりやすい解説

ボヘミアン
bohémien

元来はボヘミア人またはボヘミア出身と考えられていたジプシーを指すが,転じて1830年の七月王政期にパリに集まった,貧しくしかし自由なその日暮しを送る文学青年や若き芸術家たちの呼称(ボエームbohème)となった。1835年ころのネルバルゴーティエ,ボレルらの集団と,それから約10年後の,ミュルジェールHenri Murger(1822-61),シャンフルーリらの集団があった。とくに前者は,ロマン主義運動に共鳴し,七月革命に熱狂した〈青年フランス派Jeune France〉の世代であり,〈小ロマン派〉とも称される。両者はいずれも文学・芸術で身を立てようと情熱に燃えた若者たちであったが,やがて七月王政下のブルジョア社会の桎梏の中で,芸術と人生の乖離(かいり)に悩み,挫折して悲惨な生活へと追いつめられた者も少なくない。一般にはミュルジェールの小説《ボヘミアン生活の諸情景Scènes de la vie de bohème》をもとにしたプッチーニの歌劇《ラ・ボエーム》で知られているが,文学的にはネルバルの《粋な放浪生活》やゴーティエの《ロマン主義の歴史》(邦訳《青春の回想》)に哀惜の情を込めて美しく描き出されている。
遊民
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知恵蔵 「ボヘミアン」の解説

ボヘミアン

「フォークロア」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボヘミアン」の意味・わかりやすい解説

ボヘミアン
ぼへみあん
Bohemian

社会の習俗に逆らい自由奔放な放浪生活に生きる芸術家。チェコのボヘミア地方には古くからロマ(かつてはジプシーとよばれた)が多く住み、15世紀ごろフランス人はロマをこの名でよぶようになった。彼らの世俗に迂遠(うえん)な生き方に似た芸術家グループに適用し、1848年サッカレーが作品に使用して以来、英語として普及した。第二次世界大戦後はヒッピーなどのことばに代用される。

[船戸英夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボヘミアン」の意味・わかりやすい解説

ボヘミアン
Bohemian

語源はフランス語の bohèmeで,ボヘミア人をさすが,チェコのボヘミア地方にロム (ジプシー) が多く住んでいたことから,15世紀頃からボヘミアンはロムをさすことばとなった。さらに 19世紀に入って,ボヘミアンは社会の慣習を無視して放浪する芸術家の代名詞のようになり,のちに同様の知識人や放縦生活者まで広く含む呼称となった。

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デジタル大辞泉プラス 「ボヘミアン」の解説

ボヘミアン

日本のポピュラー音楽。歌は女性歌手、大友裕子(ゆうこ)。1982年発売。作詞:飛鳥涼、作曲:井上大輔。女性歌手、葛城(かつらぎ)ユキによるカバーバージョンが翌年発売され、同バージョンはテレビ朝日系で放送のドラマ「赤い足音」の主題歌に起用された。

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