日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨウ化カドミウム型構造」の意味・わかりやすい解説
ヨウ化カドミウム型構造
ようかかどみうむがたこうぞう
cadmium iodide structure
一般式AX2(Aは陽性元素、Xは陰性元素)で示される化合物にみられる結晶構造の一型式。ヨウ化カドミウムCdI2の結晶は三方晶系に属し、空間群P
m1,a=4.23Å、c=6.85Åの単位格子中にカドミウムイオン1個、ヨウ化物イオン2個が入る。塩化カドミウム型と似た層状構造で、カドミウムイオンは6個のヨウ化物イオンによって八面体6配位を受け、1個のヨウ化物イオンは3個のカドミウムイオンに配位するが、ヨウ化物イオンの配列が六方最密充填(じゅうてん)に近いところが塩化カドミウム型と異なる。二価金属のヨウ化物、臭化物、水酸化物にこの構造をとるものが多い。
[岩本振武 2015年8月19日]



m1に属し,単位格子中に1化学単位が含まれる.B原子に注目すると六方最密構造の
一般に,B原子は理想的な六方最密構造の配列から多少ひずんでおり,c軸方向の座標が1/4および3/4から少しずれている.A,B原子間の