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ヨノン ionone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヨノン
ionone

化学式 C13H20O 。3種の異性体がある。 (1) α-ヨノン 少量であるがミカン科の精油中に存在する。スミレの花香と同時にブドウの香りをもつ無色の液体。沸点 123~124℃ (11mmHg) 。シトラールアセトンから合成される。香料に用いられる。 (2) β-ヨノン スミレの花香と同時にセダー油様の香りをもつ無色の液体。沸点 140.4℃ (16mmHg) 。β-シクロシトラールとアセトンから合成される。香料的価値はα-ヨノンより低いが,α-ヨノンとの混合物がスミレ系調合香料として用いられる。 (3) ψ-ヨノン 特異な芳香のある黄色粘稠な液体。沸点 143~145℃ (12mmHg) 。レモングラス油またはシトラールとアセトンから合成される。ジャスミン,スミレ香料の原料に用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

ヨノン

イオノン

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栄養・生化学辞典の解説

ヨノン

 C13H20O(mw192.30).

 イオノンともいう.ミカン科の植物の精油成分.通常α-ヨノン(左)とβ-ヨノン(右)の混合物でスミレの香りに似た芳香をもつ.着香料として使われる.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヨノン
よのん
ionone

脂環式化合物の一つ。ヨノンは分子内の二重結合の位置によりα(アルファ)、β(ベータ)およびγ(ガンマ)の3種の異性体が存在する。天然物中にはαおよびβ両異性体の混合物として存在する。ボローニアの花精油、コスタスの根茎精油にはαおよびβ-ヨノンが混合して存在し、アンバーグリス、バイオレットモスviolet-moss中にはγ-ヨノンが含有されている。α-ヨノンは濃硫酸と接触するとβ-ヨノンに異性化し、β-ヨノンはアルコール性水酸化カリウムと処理するとα-ヨノンに異性化する。αおよびβ-ヨノンの工業的合成法はシトラールとアセトンを縮合剤(カ性ソーダなどのアルカリ)の存在下で反応させてプソイドヨノンとし、閉環剤を用いてαおよびβ-ヨノンを合成する。閉環剤の種類により、αおよびβ-ヨノンの生成比が異なる。リン酸を用いるとα-体が主となり、硫酸を用いるとβ-体が主として生成する。γ-ヨノンは工業的な合成法はない。
 α-ヨノンはバイオレット、ローズ、シトラス系の調合香料に、またベリー系フレーバー、シトラス、バニラフレーバーなどの食品香料に使用する。β-ヨノンは主としてキンモクセイ、フリージア、バイオレットなど拡散性のあるフローラル調香料として室内芳香剤、トイレタリーなどの香粧品香料に使用され、食品香料としてはストロベリー、チェリー、パイナップルなどに使用される。さらに、β-体はビタミンA、ビタミンE、カロチンなどの合成原料として重要である。[佐藤菊正]

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世界大百科事典内のヨノンの言及

【イオノン】より

ヨノンともいう。環状テルペンケトンの一種。…

※「ヨノン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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