ラオコーン(レッシングの美学論文)(読み)らおこーん(英語表記)Laokoon

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラオコーン(レッシングの美学論文)
らおこーん
Laokoon

ドイツの批評家・劇作家レッシングの美学論文。1766年刊。「第一部」とあるが、第二部以下は書かれることなく終わった。副題が「絵画と詩の境界について」となっていることからもわかるように、バチカン美術館所蔵の『ラオコーン群像』の解釈を手掛りとして、空間的・並列的芸術である造形美術と時間的・継起的芸術である文学の、題材の選択ならびに扱い方における差を論じたもの。著者の思い違いや時代の制約からくる誤りはみられるが、それまであいまいだった両芸術の差を明確にした功績は大きい。読者をもともに考えさせずにはおかない明晰(めいせき)な文体は、今日なお清新な魅力を保っている。

[濱川祥枝]

『斎藤栄治訳『ラオコオン』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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