日本大百科全書(ニッポニカ)「ラッパチョウ」の解説
ラッパチョウ
らっぱちょう / 喇叭鳥
trumpeter
鳥綱ツル目ラッパチョウ科に属する鳥の総称。この科Psophiidaeには、セアカラッパチョウPsophia crepitans、ハジロラッパチョウP. leucoptera、アオバネラッパチョウP. viridisの3種がある。ベネズエラからブラジル南部およびボリビア北東部にかけての熱帯南アメリカに分布する。全長43~53センチメートル。ずんぐりした鳥で、猫背なのが特徴である。羽色は、3種とも体は金属光沢のある紫黒色で、体の後ろに垂れ下がった次列風切(かざきり)と肩羽は種によって白色ないし緑色をしている。ジャングルの地上にすみ、繁殖期以外は20~30羽の小群で生活している。飛翔(ひしょう)力は弱く、追われても遠くまで飛ぶことはめったにない。食物は地面に落ちている果物や漿果(しょうか)、地表の昆虫類やクモなどである。繁殖習性はまだよくわかっていない。まれに動物園などに飼育されている。
[森岡弘之]