コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ラパロ条約 ラパロじょうやくTreaty of Rapallo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラパロ条約
ラパロじょうやく
Treaty of Rapallo

1922年4月 16日イタリアラパロソ連ドイツとの間で結ばれた条約。これによって両国国交関係を樹立し,国際的孤立から脱却する手段を手に入れた。ドイツ軍部,重工業資本,外務省の「東方派」は早くから対ソ接近に熱心で,ソ連でもヨーロッパにおける革命情勢の退潮によって「革命外交」を続ける条件は次第に限られてきた。こうして 20年頃から軍事,経済両面での両国協力関係がひそかに進められていたが,22年4月ジェノバで開催された国際経済会議に出席していた両国代表によって,突如条約が調印された。国交再開のほか相互に賠償請求権を放棄し,ドイツはソ連によって国有化されたドイツ資産の補償を要求せず,ソ連に最恵国待遇を与えることが約された。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ラパロ‐じょうやく〔‐デウヤク〕【ラパロ条約】

1922年、イタリア北部、ジェノバ近郊の都市ラパロ(Rapallo)で、ドイツとソ連との間に結ばれた条約。ソ連政府の承認と外交関係の回復、両国債務の相殺などを規定したもので、ソ連は初めて国際的承認を得た。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

ラパロ条約【ラパロじょうやく】

(1)1920年イタリアとユーゴスラビアの間で,両国間の係争の地であるフィウメ(今のリエカ)の帰属に関し,イタリアのジェノバに近いラパロRapalloで結ばれた条約。
→関連項目ラーテナウ

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ラパロじょうやく【ラパロ条約】

(1)1920年11月12日,イタリアのジェノバの近くの町ラパロでイタリアとユーゴスラビアの間で結ばれた国境画定条約。第1次世界大戦後,イタリアはロンドン秘密条約(1915)に基づいてアドリア海対岸のダルマツィア地方を要求,詩人ダンヌンツィオに率いられた義勇軍はフィウメ(現,リエカ)を占領し,これらの領有権を主張するユーゴスラビアと対立した。しかしこの条約によりイタリアは,フィウメの自由市化を約し,ダルマツィア地方を放棄した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラパロ条約
らぱろじょうやく

イタリアのジェノバ近郊ラパロRapalloで締結された条約で、二つある。(1)1920年11月12日、イタリア、ユーゴスラビア間に結ばれた条約。フィウーメ(リエカ)を自由国とし、両国間の国境を確定した。なお、フィウーメは1924年のローマ条約でイタリアのものとなった。(2)1922年4月16日、ジェノバ会議のさなかに、ドイツ、ソ連間に締結された条約。第一次世界大戦後、敗戦国ドイツと社会主義国ソ連はともに国際的に疎外された存在であったが、ソ連はとくに経済建設と赤軍強化のためドイツとの協力を欲した。他方、ドイツ国防軍は秘密再軍備のためソ連との協力に積極的であり、ドイツ重工業界も経済協力に乗り気であった。ただ、完成品業界とくに電機業界はソ連市場に魅力を感じつつも西欧側との協力を重視していた。電機業界からドイツ外相に就任したW・ラーテナウは、当初イギリス首相ロイド・ジョージとの協力に傾いていたが、ジェノバ会議における仏ソ接近への不安感から、首相ウィルトと外務省東方局長マルツァンに説得されて、条約調印に踏み切った。ラパロ条約は、賠償その他請求権の相互放棄、外交領事関係の回復、最恵国待遇の適用、通商経済関係の促進を定めた。軍事条項はなかったが、同条約は独ソ秘密軍事協力の重要な支えとなった。独ソ両国が協力してベルサイユ体制に対抗したところに歴史的意義がある。[栗原 優]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

ラパロ条約の関連キーワードチチェーリン(Georgiy Vasil'evich Chicherin)ラーテナウ(Walther Rathenau)ジョバンニ ジョリッティゲオルギイ チチェーリンソビエト連邦史(年表)W. ラーテナウワイマール共和国フィウーメ問題ロカルノ条約ソ連承認問題イストラ半島ジョリッティスフォルツァチチェリン平和共存

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android