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ラフサンジャニ Rafsanjani, Hashemi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラフサンジャニ
Rafsanjani, Hashemi

[生]1934. ラフサンジャン
[没]2017.1.8. テヘラン
イランの宗教指導者,政治家。大統領(在任 1989~97)。フルネーム Ali Akbar Hashemi Rafsanjani。ケルマーン州ラフサンジャンの富裕な農家に生まれる。1948年,イスラム神学教育を受けるためにシーア派の聖都コムに移り,1958年にルホラ・ホメイニの弟子となる。イスラム教シーア派でアヤトラに次ぐホジャトレスラム(「イスラムの証」を意味するアラビア語に由来)の称号を得る。1978~79年のイラン革命で王制が打倒されホメイニが帰国すると,ホメイニの主席補佐官の一人となった。イスラム共和党の創設に協力して革命評議会のメンバーとなり,革命初期には内務大臣を務めた。1980年にはマジュリス(議会)の議員に選出され,同年議長となる。その後 9年間マジュリスで強力な発言力を発揮し,しだいに政府ナンバーツーの地位を得るにいたった。1980~88年のイラン=イラク戦争遂行には深くかかわり,1988年8月にホメイニを説得して停戦に合意させ,事実上の終戦に導いた。1989年,圧倒的多数の支持を得て大統領に選出された。就任直後から,それまで弱体だった大統領府に権力を集中させ,イスラム強硬派の抵抗に直面しながらも現実路線の政策を推進するため,政治的手腕を発揮した。2000年の議会選挙ではふるわず,テヘラン選挙区の 30位で最後に当選を決めた。しかし,監督者評議会(上院)が選挙に不正があったと主張し,再集計を命じた結果,大量に無効票が見つかったため順位が入れ替わり,ラフサンジャニは 20位に上昇した。だがこれは不正な操作だという非難が集中したことから,当選を辞退した。2005年の大統領選挙に立候補したが,マハムード・アフマディネジャドに敗れた。2007年マジュリス議長。2009年の大統領選挙において,反体制派候補のミール・ホセイン・ムサビを支持して失脚。2013年には自身の大統領選挙への立候補は許可されなかったが,ハッサン・ロウハニの後見人として,ロウハニを当選に導いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラフサンジャニ
らふさんじゃに
Ali Akbar Hashemi Rafsanjani
(1934―2017)

イラン最高評議会(国会と護憲評議会の調整機関)議長。第4代大統領、神学者。ケルマーン州に生まれ、14歳からコムの神学校に学ぶ。ホメイニの影響を受けて、28歳でイスラム革命運動に加わり、五度の逮捕歴をもつ。1979年のイラン革命後、革命評議会メンバーに選ばれ、同年11月から内相。1980年5月、国会議員に当選し、同年7月に初代国会議長に選出された(1986年6月再選)。1988年6月には軍最高司令官代理(司令官は最高指導者)に就任、正規軍と革命防衛隊の事実上の責任者となる。1989年6月に死去した最高指導者ホメイニの後任にハメネイ(当時大統領)が選ばれたため、最高評議会議長を継いだ。同年7月の大統領選挙で初当選、1997年8月まで2期務めた。同年3月、最高評議会議長に再選。2000年2月の総選挙に出馬、最下位で滑り込み当選したが、開票時の疑惑を指摘され、同年5月の新国会を前に辞退した。ハメネイとともに保守派の実力者とみられているが、2005年6月の大統領選挙でアフマディネジャドに敗れた。
 対米強硬論者としても知られ、2001年10月にアメリカの炭疽(たんそ)菌事件について「アメリカはイラン・イラク戦争でイラクに炭疽菌を提供、そのことで代償を支払わされている」と述べ、「悪の枢軸」発言(大量破壊兵器の開発でアメリカに脅威を与えている「テロ支援国家」としてイラク、イラン、北朝鮮を、アメリカの大統領G・W・ブッシュが名指しで非難した一般教書演説での発言)後の2002年2月には「ブッシュ大統領は恐竜のような頭に、スズメ程度の脳みそしかない」と酷評した(いずれもテヘラン大学での演説)。1985年(昭和60)7月に来日。[奥野保男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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