ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロウハニ」の意味・わかりやすい解説
ロウハニ
Rouhani, Hassan
ハッサン・ロウハニ。イランの政治家,イスラム教聖職者。大統領(在任 2013~21)。1960年代にセムナーン州にある神学校に入学,その後聖地コムで聖職者としての教育を修了する。1972年テヘラン大学で法学士号を取得して卒業。1960年代~70年代,ムハンマド・レザー・シャー(パーレビ)国王の統治に反対し,アヤトラ・ルホラ・ホメイニを支持したため,数回にわたって逮捕された。その後,イランの情報機関の追跡をかわすため,姓をフェリドン Feridonからロウハニに改めた。1977年にイランを脱出,1978年にフランスに亡命中のホメイニと合流した。1978~79年のイラン革命後にイランに帰国。1980~2000年,5期連続で議員を務めた。政府の要職を務めるかたわら,イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学に留学,1999年にイスラム法に関する論文で博士号を取得した。2003年~05年,国際原子力機関 IAEAや国際社会との核開発問題に関する交渉の責任者を務め,西側で評価を高めた。2013年6月,大統領選挙の第1回投票で過半数の票を獲得し,決選投票を待たず当選を決めた。同 2013年9月にはアメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領と電話会談を実施,イラン革命後初のアメリカとイラン両首脳の直接対話となった。2017年5月に実施された大統領選挙の結果,ロウハニは得票率約 57%で保守強硬派の対立候補に対し地すべり的勝利を収めた。
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