ラントシュタイナー(その他表記)Karl Landsteiner

改訂新版 世界大百科事典 「ラントシュタイナー」の意味・わかりやすい解説

ラントシュタイナー
Karl Landsteiner
生没年:1868-1943

血液型発見(1901)をはじめ,抗原抗体反応全般にわたって幾多の新生面を開き,1930年ノーベル生理学・医学賞を授与されたオーストリア血清化学者。ウィーンで生まれ,1891年ウィーン大学卒業後,衛生学教室,病理学教室を経て1909年病理解剖学員外教授となり,その後22年ロックフェラー医学研究所に招かれニューヨークへ移り,40年人間の血液中にRh因子を発見した。彼の血液型(ABO型とMN型)の発見は輸血の安全実施ならびに免疫学発展に貢献した。
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百科事典マイペディア 「ラントシュタイナー」の意味・わかりやすい解説

ラントシュタイナー

オーストリアの医学者。ミュンヘン,ウィーン等の大学で研究。のちニューヨークのロックフェラー医学研究所員となる。人の赤血球が他の人の血清によって凝集することを確認しABO式・MN式血液型,さらにRh因子を発見。1930年ノーベル生理医学賞。→Rh式血液型
→関連項目MN式血液型血液型

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラントシュタイナー」の意味・わかりやすい解説

ラントシュタイナー
Landsteiner, Karl

[生]1868.6.14. ウィーン
[没]1943.6.26. ニューヨーク
オーストリアの病理学者。 1891年にウィーン大学医学部卒業。 1909~19年同大学病理学教授。 19年オランダに行き,3年後にロックフェラー医学研究所研究員としてニューヨークに渡った。 01年ウィーン大学病理学教室で研究中にABO式血液型を発見した。これに伴って血液交叉試験が開発され,輸血が安全なものとなった。また,法医学や人類遺伝学の研究にも大いに貢献した。 40年には Rh式血液型の Rh因子を発見,ほか小児麻痺の病原ウイルスを研究して,この病気サルに移すことに成功した。 ABO式血液型の発見で,30年のノーベル生理学・医学賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラントシュタイナー」の意味・わかりやすい解説

ラントシュタイナー
らんとしゅたいなー

ランドシュタイナー

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世界大百科事典(旧版)内のラントシュタイナーの言及

【医学】より

…これらは全身麻酔であるが,局所麻酔は,ドイツの眼科医コレルKarl Kollerがコカインを用いて角膜麻酔をおこなったのにつづいて,ニューヨークの外科医ハルステッドWilliam S.Halsted(1852‐1922)が積極的にその開発にとりくんだ。止血のためには,結紮(けつさつ)法や止血鉗子が開発され,出血を減らす方法がまず試みられ,ついでK.ラントシュタイナーによって血液型が発見されたことにより,安全な輸血をおこなえるようになった。さらに輸液技術が開発されたことで,手術にともなう出血や,手術そのものによる生体への影響を著しく軽減することが可能になり,理論的には,生体内のほとんどどの部分にでもメスを入れることができるようになった。…

【血液型】より

…しかし,血液型抗原が輸血や妊娠や臓器移植に際して健康上不利益に振る舞うことがあるところから,臨床医学上では非常に重視されている。
【血液型の歴史】
 1901年にK.ラントシュタイナーがABO血液型を発見したことに始まる。彼は当時33歳,ウィーン大学医学部卒業後,同大学病理学教室で助手をしていたが,他人どうしの赤血球と血清とを互いに混ぜ合わせると,その赤血球が凝集する(多数の赤血球が寄り集まって凝固とは別のメカニズムにより塊として見えるようになる)場合と凝集しない場合とがあり,これに一定の法則性があることを発見した。…

【血】より

…試みは失敗したが,医学の発展にはしばしばこの種の悲惨な試行錯誤が伴っている。K.ラントシュタイナーがABO血液型を発表したのは1901年以降のことであった。キリスト教も魂と血との関連を重視している。…

【輸血】より

…しかし,現在考えられるような異種移植についての知識がなかったために,しばしば重篤な副作用を起こし,失敗に終わった。その後,1818年にブランデルによるヒトからヒトへの輸血で成功した後,1901年K.ラントシュタイナーがABO式血液型を発見して,ようやく血液型不適合による事故は激減するようになった。さらに第1次大戦を契機に,抗血液凝固剤の開発などによって,輸血法は急速に進み,外科的治療の進歩に大きく貢献した。…

※「ラントシュタイナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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