リトル・マガジン(英語表記)little magazine

翻訳|little magazine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リトル・マガジン」の意味・わかりやすい解説

リトル・マガジン
little magazine

営利を目的とせず,文学,美術,政治理論などで新しい独自の立場を主張する機関誌として出版される小雑誌。これによって革新的な運動が展開され,新進の作家が育つことが多い。イギリスではラファエル前派が出した『ジャーム』 The Germなどがその先駆で,20世紀では E.パウンドの始めた『エゴイスト』 The Egoist,J.M.マリーがロマンティシズムを唱道した『アデルフィ』 The Adelphi,T.S.エリオットが主宰した全ヨーロッパ的視野に立つ『クライティーリオン』 The Criterionなどがあり,アメリカでは超絶主義者たちの出した『ダイアル』 The Dialをはじめ,H.モンローの『ポエトリーPoetry: A Magazine of Verse,左翼系の『パーティザン・レビュー』 Partisan Review,新批評の『ケニヨン・レビュー』 The Kenyon Reviewなどがある。フランスでは象徴主義の諸雑誌をはじめ,サルトルの『タン・モデルヌ』 Les Temps modernes,ソレルスらの『テル・ケル』 Tel Quelなどがあげられる。日本における『明星』『白樺』などの同人雑誌もリトル・マガジンといえる。

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