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超絶主義 ちょうぜつしゅぎtranscendentalism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

超絶主義
ちょうぜつしゅぎ
transcendentalism

超越主義ともいう。ニューイングランドを中心に起った理想主義運動をさし,1836年ボストンに設立された「超絶クラブ」に端を発する。代表者は R.エマソン,T.パーカー,H.ソローらである。 transcendentalismという言葉はカント,シェリングらの先験主義 (→先験哲学 ) に由来し,内容的にも彼らの,ことにシェリングの影響を受けたが,同時にコールリッジオリエンタリズムの影響を受け,ロマン主義,汎神論的傾向が強い。ロックの経験論,物質主義,合理主義,理神論,カルビニズムなどに反対し,認識論的には直観を重んじ,倫理学的には人道主義,個人主義の立場に立ち,宗教的にはユニテリアン派に属するが,神秘的傾向が強い。

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百科事典マイペディアの解説

超絶主義【ちょうぜつしゅぎ】

トランセンデンタリズム

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

超絶主義
ちょうぜつしゅぎ
transcendentalism

超越主義ともいう。1830年代後半から1860年代にかけて、R・W・エマソン、H・D・ソローらによって主張された19世紀アメリカ・ロマン主義思想。カント、コールリッジ、カーライルらヨーロッパの哲学者、文学者の影響を受けながら、アメリカにおいて独自の発展を遂げ、19世紀中葉アメリカの楽観主義を支えた。暗い正統的ピューリタニズムや、理性的で冷たいユニタリアニズム(ユニタリアン教)に反抗し、人間の内面の神聖さや、神、自然との交流、個人の無限の可能性など、人間の明るい側面を主張し、日常的経験を「超絶」した直感による真理の把握を訴えた。また既成の思想体系に挑戦し、個人の自発性、自己信頼、因襲への反抗を重視する面で、アメリカ的な特徴が認められる。エマソンの『自然』(1836)、ソローの『ウォールデン――森の生活』(1854)にそのエッセンスがうかがわれる。超絶主義の楽観的、肯定的人間観、世界観に疑問を抱く同時代の作家ホーソンやメルビルは、むしろ人間の本質的堕落と限界を指摘することによって、アメリカ超絶主義の陰の部分を示した。[渡辺利雄]
『斎藤光訳・解説『超越主義』(1975・研究社出版)』

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世界大百科事典内の超絶主義の言及

【トランセンデンタリズム】より

…アメリカの思想家R.W.エマソンとその周囲の文人,宗教家たちのロマン主義思想をいう。超越主義,超絶主義と訳す。エマソンの《自然》(1836)出版後,彼の周囲に集まったユニテリアン派の牧師たち(ヘッジFrederic H.Hedge,T.パーカー,リプリーGeorge Ripley,W.E.チャニングら),随筆家H.D.ソロー,教育家A.B.オールコット,批評家S.M.フラー,詩人チャニングWilliam E.Channing,ベリーJones Veryなどがその代表者である。…

【ラテン・アメリカ文学】より

…それは今日まで,わずかに1世紀半の短い歴史しかもたず,しかも19世紀のほとんど終りまでヨーロッパの文芸思潮を目まぐるしく追うだけで,独自の文体や主題をみずからの中からくみ出すにはいたらなかった。文体におけるラテン・アメリカ的なものの芽生えは,フランスの高踏派や象徴主義の影響のもとにモデルニスモ(近代主義)という思潮が誕生した世紀末を経て,1920年代以降の旧世界の前衛運動に触発されてウルトライスモ(超絶主義)なるものが起こった時期まで,まったく見いだせなかった。主題の面でも事情はよく似ていて,世界最初の社会革命とも言われるメキシコ革命が勃発した1910年を契機に,それに題材を求めた記録性の強い革命小説,同じくメキシコとアンデス地域で数多く書かれた原住民小説,圧倒的な大自然の脅威と闘う卑小な人間の姿を描いた自然主義小説などが文字どおり簇生(そうせい)して,その19世紀リアリズムの流れをくむ古めかしい技法にもかかわらず,新世界の特異な現実の中から独自のテーマを掘り起こすことに成功するまで,やはりラテン・アメリカ的なものは見いだせなかった。…

※「超絶主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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