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リーシュマニア症 リーシュマニアショウ

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デジタル大辞泉の解説

リーシュマニア‐しょう〔‐シヤウ〕【リーシュマニア症】

leishmaniasis》スナバエで媒介される有鞭毛(ゆうべんもう)原虫であるリーシュマニアによる感染症。インド・ブラジル・中国などに多い。皮膚の糜爛(びらん)、リンパ節の腫大(しゅだい)、発熱、貧血などが生ずる。

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家庭医学館の解説

りーしゅまにあしょう【リーシュマニア症 Leishmaniosis】

[どんな病気か]
 リーシュマニアという原虫(げんちゅう)の感染によっておこります。カラ・アザール(黒熱病(こくねつびょう))といわれる内臓リーシュマニア症、皮膚と粘膜(ねんまく)をおかすブラジルリーシュマニア症、皮膚をおかす熱帯リーシュマニア症があります。
 いずれも吸血昆虫、とくにサシチョウバエが媒介します。接触感染もあります。
 内臓リーシュマニア症の原虫はドノバンリーシュマニアで、中国、中近東インド地中海沿岸、中南米に分布しています。ブラジルリーシュマニア症は中南米に分布し、熱帯リーシュマニア症は地中海東部、インドなどに分布します。旅行中に感染する人もいますから注意が必要です。
[症状]
 内臓リーシュマニア症は約3か月の潜伏期の後、不規則な高熱で始まります。発汗や下痢(げり)が生じることも多く、1か月ぐらいすると肝臓(かんぞう)と脾臓(ひぞう)が腫(は)れ、貧血(ひんけつ)が進み、放置すると衰弱し、半年から2年で生命にかかわります。
 ブラジルリーシュマニア症の症状は、顔の組織欠損が皮膚から粘膜(ねんまく)へと拡大し、鼻翼(びよく)が欠けることもあります。ときには混合感染による呼吸障害などによって死亡することもあります。
 熱帯リーシュマニア症は皮膚に結節(けっせつ)や潰瘍(かいよう)ができるのが特徴で、おもに顔面や手足にみられます。
[検査と診断]
 内臓リーシュマニア症は骨髄(こつずい)、リンパ節、脾臓などに針を刺して採取した組織や皮膚病変部の辺縁部の組織から原虫が見つかれば診断がつきます。
 熱帯リーシュマニア症は皮膚の病変部の端から、進行したブラジルリーシュマニア症は粘膜の病変部から組織を採取して、原虫が証明されれば診断がつきます。
 なお、いずれのリーシュマニア症も血清(けっせい)診断法が行なわれています。
[治療]
 五価のアンチモンを6~10日間注射します。ただし、副作用が強いため、慎重に使用する必要があります。
 皮膚や粘膜に病変があれば、注射のほかに赤外線照射(せきがいせんしょうしゃ)、ドライアイス接触などを行ない、スチボグルコン酸ナトリウムや硫酸(りゅうさん)パロモマイシンを含んだ軟膏(なんこう)を塗布(とふ)します。
[予防]
 流行地にでかけるときには、サシチョウバエに刺されないように注意します。イヌへの感染が流行の原因になるほか、接触感染もあるので注意が必要です。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リーシュマニア症
りーしゅまにあしょう

リーシュマニア属Leishmaniaの鞭毛(べんもう)虫が小形の吸血昆虫サシチョウバエによってヒトに媒介されておこる感染症の総称。従来、臨床症状をはじめ、分布や媒介昆虫の種類などにより分類されていたが、中南米で新種や亜種がかなり存在し、また同一種でも地域によって症状が異なる場合もあり、免疫学や生化学的手技を用いて再検討されるようになった。従来の代表的疾患は、ドノバンリーシュマニアL. donovaniによる内臓リーシュマニア症で、カラ・アザール(黒熱病)あるいはダムダム熱などともよばれる。
 このほか、皮膚リーシュマニア症ともよばれる東洋瘤腫(りゅうしゅ)があり、病原体は熱帯リーシュマニアL. tropicaで、顔面や四肢に無痛の丘疹(きゅうしん)ができ、中央部が潰瘍(かいよう)化した腫瘤となる。普通は瘢痕(はんこん)を残して自然治癒する。
 なお、リーシュマニア属は肉質鞭毛虫門動物性鞭毛虫綱キネトプラスト目トリパノソーマ科に属する原生動物(原虫)の代表的グループの一つで、アマスティゴートとプロマスティゴートの2種類の形態をもつ。アマスティゴートは従来リーシュマニア型(細胞寄生体)とよばれていたもので、直径1~3マイクロメートルの球形または卵形で、患者の脾臓(ひぞう)、肝臓、リンパ節、骨髄中にみいだされる。プロマスティゴートは従来レプトモナス型(培養型)とよばれていたもので、中間宿主であるサシチョウバエの腸管内に認められ、幅2~6マイクロメートル、長さ10~25マイクロメートルの大きさで、短西洋ナシ形から長紡錘形に至る種々の形態と鞭毛をもつ。[松本慶蔵]

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世界大百科事典内のリーシュマニア症の言及

【サシチョウバエ(刺蝶蠅)】より

…雌は羽化後,5~10日で産卵する。中国,中近東,アフリカ,中・南米大陸には,サシチョウバエが媒介する寄生虫病(リーシュマニア症)がある。病原体は,原生動物のリーシュマニアLeishmaniaで,内臓,皮膚,粘膜などを侵す。…

【熱帯医学】より

…フランベジアは,熱帯地方にみられる梅毒様疾患であり,大部分が直接的な体表面の接触によって感染するが,通常は性交と関係がなく,患者の大部分が小児で占められている。 原虫によるものには,マラリア,リーシュマニア症,睡眠病,シャガス病などがある。マラリアはハマダラカ,リーシュマニア症はサシチョウバエ,睡眠病はツェツェバエ,シャガス病はサシガメによって媒介される。…

※「リーシュマニア症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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