ロースト(その他表記)roast

翻訳|roast

デジタル大辞泉 「ロースト」の意味・読み・例文・類語

ロースト(roast)

[名](スル)
食肉などをあぶり焼きや蒸し焼きにすること。また、その料理。「ローストチキン」
豆類をいること。「ローストされたナッツ

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精選版 日本国語大辞典 「ロースト」の意味・読み・例文・類語

ロースト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] roast )
  2. 肉などを焼くこと。直火であぶったり蒸し焼きにしたりすること。また、そのようにした料理。〔舶来語便覧(1912)〕
    1. [初出の実例]「肉のローストの色づけにつかうのだ」(出典:猫背の散歩(1956)〈椎名麟三〉自由について)
  3. コーヒー豆などを焙煎すること。

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改訂新版 世界大百科事典 「ロースト」の意味・わかりやすい解説

ロースト
roast

調理法の一種。材料オーブンに入れて焼き上げるか,あるいは,くしに刺して直火であぶること。また,この調理法で作られた料理もローストと呼ばれる。魚や野菜を用いることもあるが,牛,豚,羊,鶏,カモ,シチメンチョウなどの肉を大きな塊か,丸ごと使うことが多い。焼きかげんは,表面はこんがり焼色がついて内部は柔らかく,金ぐしを刺してみて赤い肉ではばら色の,白い肉では透き通った肉汁が出てくればよい。

(1)ローストビーフの作り方 牛肉背ロース)2kgに対して,ジャガイモ10個,ニンジン1本,タマネギ1個,セロリ1本,白ワイン300㏄,ブイヨン400㏄などを用意する。肉の形を整えてたこ糸でしばり,塩,コショウをよくすりこむ。オーブンプレートかフライパンにサラダ油を熱し,強火で肉の表面全体をしっかりと焼いて肉汁を逃さないようにする。オーブンプレートに粗切りにしたニンジン,タマネギ,セロリを敷き,肉を脂身を上に向けておき,ジャガイモは四つ割りにしてまわりに並べる。200℃のオーブンに入れてときどき肉汁をかけながら30~40分ほど焼く。ジャガイモは火が通ったら取り出しておく。焼き上がった肉はアルミ箔できっちり包み,15分ほどおき,肉汁を落ち着かせる。たまった肉汁を捨てて,オーブンプレートを火にかけ,白ワインを加えて底の焦げつきをこそげ取って溶かす。これをなべに移し,ブイヨンを加えて軽く煮てこし,塩,コショウで味を調えてグレービーgravyを作る。肉を好みの厚さに切り,ジャガイモなどとクレソンをつけ合わせ,グレービーを添える。

(2)ローストチキンの作り方 内臓を除いて下ごしらえをすませた鶏を,形を整えて糸でしばり,表面に塩,コショウをすりこむ。オーブンプレートに粗切りのニンジン,タマネギ,セロリを敷き,その上に鶏をももを下にしておいてサラダ油を少しかける。200℃のオーブンに入れて12~13分ほど焼き,ひっくり返して反対側のももを下にして12~13分,最後に胸を上にして7~8分ほど焼く。この間,ときどき焼汁をかける。もも肉と手羽つき胸肉の計四つにさばいて皿に盛りつけ,ローストビーフと同様にして作ったグレービーを添えて出す。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロースト」の意味・わかりやすい解説

ロースト
ろーすと
roast 英語
rôti フランス語

鳥獣肉類を大きな塊のまま天板にのせ、天火で蒸し焼きにした料理。正餐(せいさん)の主要コースに供される。調理そのものは単純にみえるが、焼き方には技術を要し、肉をそのまま焼くので肉質を十分吟味することがたいせつである。作り方には、肉をそのまま天火で焼く方法と、固い肉などを厚手の鍋(なべ)に入れ、密閉した中で焼く方法がある。(1)ローストビーフ英国風 肉は上質のサーロイン、リブロースなどを1キログラムの塊で用意し、周りの筋(すじ)をとり、塩、こしょうを両手で肉にこすり込む。肉の状態をみて脂肪の少ないときは、牛脂の薄切りを上部に並べ、形がくずれないようにたこ糸で結ぶ。天板にラードを塗り、肉をのせて強火(235℃)の天火で20分くらい焼く。この間2回ほど天板に流れ出る脂を肉にかける。全体が黄金色になったところで温度を190℃くらいに下げ、肉の下に荒く切った野菜を入れて、さらに15分ほど焼く。そこへ温めたブイヨンをわきから天板に流し込み、そのまま10分焼いて火を止める。このときの加熱温度は150~160℃くらいがよい。焼けた肉は別器にとり、天板の野菜類や焼き汁をこそげとり、だし汁を加えてひと煮立ちさせて漉(こ)し、グレービーソースとする。(2)ポットロースト 牛肉(プレート肉または腹部の細長い形に切った肉)に塩、こしょうをして、たこ糸で周りを一巻きする。小麦粉を肉全体にまぶし、フライパンにラードを熱し、全面を黄金色に炒(いた)める。厚手の蓋(ふた)付き鍋(肉の大きさより1センチメートルくらい周囲にすきまのある大きさ)に肉をのせ、弱火で3時間~3時間半煮る。固い肉は3時間くらい煮ている間に結締組織が加水分解して、コラーゲンが粘着性になり膠(にかわ)状になる。肉の内部温度は99℃くらいで、肉質はフォークで楽に裂くことができるほど柔らかくなる。鍋底には澄んだ液状の脂が大さじ1杯くらい出る。肉の膠質はゼラチン化し、カラメル色の美しい色になる。肉を取り出し、鍋に水を加えて煮立て、塩、こしょうで調味してグレービーソースとする。液体を加えないで、肉それ自身が含んでいる水分を利用した調理法で、冬季などストーブの上で十分できる料理である。

[小林文子]

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百科事典マイペディア 「ロースト」の意味・わかりやすい解説

ロースト

西洋料理の基本調理法の一つで,オーブン(天火)か直火であぶること,またこの方法で調理した料理。牛,豚,羊などのかたまり肉や,全形の鶏,シチメンチョウ,魚などを材料とする。オーブンを使う場合は天板に香味野菜を刻んで敷き,これに材料をのせオーブンに入れ,サラダ油やたれ汁をかけながら焼く。付合せとともに盛りつけるが,見ばえがするので客料理や祝宴料理にすることが多い。
→関連項目フランス料理ロース

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飲み物がわかる辞典 「ロースト」の解説

ロースト【roast】


➀肉を焼くこと。オーブンで蒸し焼きにすることをさすことが多いが、直火であぶり焼きにすることも含まれる。鶏や七面鳥は丸ごと、牛肉や豚肉などはかたまりのまま用いる。また、その料理をもさす。◇料理は「ロティ」ともいう。「ロティ」はフランス語。
➁コーヒー豆・ナッツなどを煎()ること。[類語]焙煎

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ロースト」の解説

ロースト【roast】

①肉を焼くこと。オーブンで蒸し焼きにすることをさすことが多いが、直火であぶり焼きにすることも含まれる。鶏や七面鳥は丸ごと、牛肉や豚肉などはかたまりのまま用いる。また、その料理をもさす。◇料理は「ロティ」ともいう。「ロティ」はフランス語。
②コーヒー豆・ナッツなどを煎(い)ること。[類語]焙煎

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世界大百科事典(旧版)内のローストの言及

【西洋料理】より

…(4)イギリス料理 一般に堅実で保守的なイギリス人は,食事も実質的なものを重んじる。調理法,味付けは全体に単純で,肉料理ならロースト・ビーフやロースト・ラムのようなロースト料理(ロースト)が代表的である。牛のしっぽを使ったオックス・テール・シチュー,ラム肉と野菜を使ったアイリッシュ・シチュー(シチュー)のような煮込み料理や,子牛やラムの腎臓を加えた詰物をして焼くキドニー・パイkidney pieなど,家庭料理に美味なものが多い。…

【フランス料理】より

…(5)ソルベ 英語ではシャーベット。アントレとローストの間に口直しとして出されるため,甘みをおさえてある。(6)ロースト 鳥獣肉を大きな塊のままオーブンで焼いたもので,フランス語ではロティと呼ぶ。…

※「ロースト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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