ローリング・ストーンズ(読み)ろーりんぐ・すとーんず(英語表記)The Rolling Stones

知恵蔵 「ローリング・ストーンズ」の解説

ローリング・ストーンズ

英国ロックバンド。1963年に「カム・オン」でレコード・デビュー。以来、半世紀以上にわたり第一線で活躍しており、アルバム・セールスは2億枚を超える。デビュー時のメンバーは、ブライアン・ジョーンズ(ギター他)、ミック・ジャガー(ボーカル)、キース・リチャーズ(ギター)、ビルワイマン(ベース)、チャーリー・ワッツ(ドラムス)の5人。
初期はカバー曲が多く、ブルースを始め黒人音楽造詣(ぞうけい)の深いブライアンがリーダー的存在だった。しかし、65年ミック・ジャガーとキースの共作「サティスファクション」の大ヒットによって、2人がバンドをリードするようになり、ビートルズと並び称される世界的なバンドに成長していった。
その後もヒット曲を連発していたが、67年、ミック・ジャガー、キース、ブライアンが麻薬所持で逮捕される。バンド存続が危ぶまれたが、「反逆児」のイメージで、より人気が高まることとなった。69年にブライアンが脱退、直後に謎の死を遂げる。更に同年、ミック・テイラー(ギター)の加入間もないオルタモントのフリーコンサートで、演奏中に観客の黒人青年が警備のヘルズ・エンジェルスによって刺殺されるという事件(オルタモントの悲劇)が起こり、ストーンズも批判を浴びた。
70年代に入ると、自ら立ち上げたレーベルのもと、カントリーやソウル、ルーツである黒人音楽を深化させ、名盤の誉れ高いアルバム「スティッキー・フィンガーズ」「メイン・ストリートのならず者」を次々とリリース。突然のミック・テイラーの脱退(74年)も、ロン・ウッドの加入(76年)で乗り越え、ライブ・バンドとしての地位も不動のものにしていった。
80年代は、音楽的には評価が分かれ、やや迷走との声もある。ミック・ジャガーとキースの反目、それぞれソロ活動に重点を移したことから、再び解散もささやかれたが、90年には初来日(東京ドーム10回公演)を果たした。その2年後、結成時のメンバー、ビル・ワイマンが脱退したが、現在に至るまで正式メンバーの補充はしていない。
02年には、ミックが英国王室からナイトの爵位を授与された。長年の音楽への貢献が理由だが、受賞を批判したキースを支持するファンも少なくない。今世紀に入り、新譜リリースは少ないもののライブ活動は旺盛で、14年2~3月には8年ぶり6度目となる日本公演が予定されている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2014年)

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百科事典マイペディア 「ローリング・ストーンズ」の意味・わかりやすい解説

ローリング・ストーンズ

英国のロック・グループ。マディ・ウォーターズの曲から命名された。ミック・ジャガーMick Jagger〔1943- 〕,ブライアン・ジョーンズBrian Jones〔1942-1969〕,キース・リチャーズKeith Richards〔1943- 〕,ビル・ワイマンBill Wyman〔1936- 〕,チャーリー・ワッツCharlie Watts〔1941- 〕の5人で1963年結成。以後《サティスファクション》(1965年),《ジャンピング・ジャック・フラッシュ》(1968年)等数多くのヒット曲を発表し,ロック界に君臨した。以後も一部メンバーを替えながら一貫したロックンロール・スタイルを通し続けている。
→関連項目ガイベリー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローリング・ストーンズ」の意味・わかりやすい解説

ローリング・ストーンズ
The Rolling Stones

イギリスのロック音楽グループ。ギターのブライアン・ジョーンズ(1942~69),ボーカルのミック・ジャガー(1943~ ),ギターのキース・リチャーズ(1943~ ),ベースのビル・ワイマン(1936~ )の 4人で 1962年結成。1963年,ドラムスのチャーリー・ワッツ(1941~2021)を加えた 5人組としてレコード・デビュー。リズム・アンド・ブルースなどの黒人音楽の影響を受けたビート感覚と社会性をもつ歌詞で,1966年頃までにはビートルズに次ぐ人気グループとなった。その後メンバーの変更はあるが,『サティスファクション』Satisfaction(1965)などのヒット曲を数多く生み出し続けている。

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