一山(読み)ひとやま

精選版 日本国語大辞典 「一山」の意味・読み・例文・類語

ひと‐やま【一山】

〘名〙
一つの山。
※俳諧・享和句帖‐三年(1803)八月一八日「翌の分に一山残す桜哉」
② 山全体。山じゅう。満山
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「西を行けば虎狼ひと山さわぐ所あり」
果物野菜などを山の形に積み重ねた一かたまり。
滑稽本・古朽木(1780)二「一服一銭口取菓子、一山(ヤマ)三文の薩摩芋
④ 一回の投機冒険。→一山当てる
⑤ 一つの困難。→一山越す

いっ‐さん【一山】

〘名〙
① 一つの山。また、その全体。いちざん。
壒嚢鈔(1445‐46)二「彼山は一山挙(こぞ)りて良玉也」 〔郭璞遊仙詩
② 同一の境内にある本寺末寺などすべてを含めた寺院総称。本寺を中心にその域内にある小院、末寺等すべての寺院の集合体全山。または、そこにいるすべての僧。
今昔(1120頃か)一一「一山の僧、皆、大師の返り在ましたる也けりと思て」

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デジタル大辞泉 「一山」の意味・読み・例文・類語

ひと‐やま【一山】

一つの山。また、ある山全体。「一山が霧にすっぽり覆われる」
山の形に積み上げたひとかたまり。「一山500円のミカン」「一山いくらの安物
物事の困難な場面の一つ。一つの山場。「完成までにまだ一山も二山もある」

いっ‐さん【一山】

一つの山。
同じ境内にある本寺・末寺などすべてを含めた寺院の総称。全山。また、そこにいるすべての僧。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「一山」の解説

一山 いちざん

一山一寧(いっさん-いちねい)

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