一音(読み)いちおん

精選版 日本国語大辞典 「一音」の意味・読み・例文・類語

いち‐おん【一音】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つの音。また、同一の音。
    1. [初出の実例]「一音能説。仏語雖二三」(出典本朝文粋(1060頃)三・鳥獣言語〈菅原淳茂〉)
    2. 「舎利弗一音を出して咄々(とつとつ)と叱し給ふに」(出典:太平記(14C後)二四)
    3. [その他の文献]〔淮南子‐説林訓〕
  3. 一つの音声。一つの言葉。仏教では、仏の説法をさす。いっとん。
    1. [初出の実例]「ただ一をんなりとても、我を念ずる時節の、王難の災は遁すべし」(出典:世阿彌筆本謡曲・盛久(1432))
    2. [その他の文献]〔維摩経‐仏国品〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「一音」の解説

一音 いちおん

?-? 江戸時代中期の俳人
越後(えちご)(新潟県)の人。建部綾足(あやたり)(涼袋)にまなぶ。上野(こうずけ)(群馬県)にすみ,のち諸国をめぐる。与謝蕪村(よさ-ぶそん),加藤暁台(きょうたい),高井几董(きとう)らと交遊。同門の一鼠(いっそ)が安永3年(1774)に刊行した「瓜の実」の判詞をかいた。天明年間(1781-89)に死去。別号に嚏居士(はなびのこじ),柴杖など。編著に「左比志遠理(さびしおり)」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android