七仏薬師(読み)シチブツヤクシ

デジタル大辞泉 「七仏薬師」の意味・読み・例文・類語

しちぶつ‐やくし【七仏薬師】


薬師瑠璃光るりこう如来のほかに六仏を加え、同体、またはその異名とする七仏のこと。
京都およびその近辺の7か所に祭る薬師如来。観慶寺・護国寺法雲寺延暦えんりゃく・珍重寺・平等寺広隆寺のもの。
七仏薬師法」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「七仏薬師」の意味・読み・例文・類語

しちぶつ‐やくし【七仏薬師】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ] 「薬師琉璃光七仏本願功徳経‐上」および「薬師琉璃光如来本願功徳経」に説かれる、善称名吉祥王如来・宝月智厳光音自在王如来・金色宝光妙行成就如来・無憂最勝吉祥如来・法海雷音如来・法海勝慧遊戯神通如来・薬師瑠璃光如来総称。薬師等の七仏のことで、これには七仏を薬師の異名とする説と、それぞれ別の仏とする説がある。ただし東密では一体の分身とする。七仏。〔御堂関白記‐寛弘六年(1009)一〇月一三日〕
      1. [初出の実例]「丈六の七仏やくし皆金色におはします」(出典:栄花物語(1028‐92頃)鳥の舞)
    2. [ 二 ] 京都およびその近辺にある七か所の薬師寺祇園の観慶寺、八幡(今清水)の護国寺、太秦(うずまさ)の広隆寺、蓼倉の法雲寺、延暦寺(根本中堂)、珍重寺、平等寺の総称。古くは観慶寺と珍重寺に代わり、東寺と法界寺が加わっていた。
  2. [ 2 ]しちぶつやくし(七仏薬師)の法」の略。
    1. [初出の実例]「ことなる御祈りども侍りしに〈略〉七仏薬師、広御所、太政大臣殿御沙汰」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長元年六月二八日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の七仏薬師の言及

【薬師】より

死の病人を救うために薬師如来に祈る供養法(続命法)が行われ,また薬師経を唱える信者を十二神将が守護するとも説かれる。別に七仏薬師(しちぶつやくし)の伝承があり,これによると東方に次々に如来がおり,最も遠い第7の如来が薬師であるとされる。七仏がそれぞれ独立した仏であるか,七仏は薬師仏の別名であるかが古来論ぜられている。…

※「七仏薬師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android