三輪休雪(読み)みわ きゅうせつ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三輪休雪」の解説

三輪休雪(11代) みわ-きゅうせつ

1910-2012 昭和-平成時代の陶芸家。
明治43年2月4日生まれ。兄三輪休和(10代休雪),川喜田半泥子(はんでいし)に師事。萩(はぎ)焼の伝統をうけつぎながらも,白釉(はくゆう)と大胆な造形で注目される。昭和32年日本伝統工芸展に初入選。42年11代をつぐ。58年人間国宝。平成15年長男竜作に休雪(12代)の名をゆずり,寿雪と改号。平成24年12月11日死去。102歳。山口県出身。本名は節夫(さだお)。作品に「白萩沓形筆洗切茶碗」など。

三輪休雪(初代) みわ-きゅうせつ

1630-1706* 江戸時代前期の陶工
寛永7年生まれ。祖父朝鮮の陶工で,文禄慶長の役の際につれてこられ,石見(いわみ)(島根県)に開窯。父の代に長門(ながと)(山口県)萩(はぎ)に移住,寛文3年(1663)休雪は萩藩の御用焼物師となる。のち藩命により京都の楽家で楽焼をまなんだ。宝永2年12月3日死去。76歳。名は利定。通称は忠兵衛。

三輪休雪(12代) みわ-きゅうせつ

1940- 昭和後期-平成時代の陶芸家。
昭和15年9月5日生まれ。11代三輪休雪の長男。前衛オブジェを中心に革新的な作陶をつづけ,新しい陶芸の伝統づくりをめざす。平成15年旧萩藩御用釜の12代休雪を襲名。萩陶芸家協会会長。山口県出身。東京芸大卒。本名は竜作(りょうさく)。著作に「僕と炎と唇と」「軟らかい海」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の三輪休雪の言及

【萩焼】より

…萩焼の名は1638年(寛永15)著の《毛吹草》にみえ,このころには名産となっていた。地元で松本焼とよばれる松本御用窯の創業後,53年(承応2)に李勺光の子の付人であった蔵崎五郎左衛門が長門市に窯を築いて三之瀬(そうのせ)焼物所,いわゆる深川(ふかわ)萩をはじめ,また松本には63年(寛文3)三輪休雪が三輪窯を興すなど以後この2窯の系統が併存して今日に至っている。いつごろからか判然としないが,防府市で出土する大道土をつかって作陶し,これに萩焼独特のわら灰質の白濁釉をかけ,おもに茶陶を焼いてきた。…

※「三輪休雪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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