上す(読み)ノボス

デジタル大辞泉 「上す」の意味・読み・例文・類語

のぼ・す【上す】

[動サ五(四)]のぼせる」に同じ。「議題に―・す」「食卓に―・す」
[動サ下二]のぼ(上)せる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「上す」の意味・読み・例文・類語

のぼ・す【上】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙のぼせる(上)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. 低い所から高い所へ移動させる。あげる。
      1. [初出の実例]「のほすれはおやまの御はっとそむく」(出典:説経節・説経苅萱(1631)中)
    2. 人や物を地方から都へ送りやる。
      1. [初出の実例]「ダイクヮン トシテ ヲトトノ ノリヨリト、ヨシツネヲ noboite(ノボイテ) ソレヲ シヅミョウト セラルルヲ キイテ」(出典:天草本平家(1592)四)
    3. 位をひきあげる。
      1. [初出の実例]「列印の軍に赴むきその隊中に入りけるが、やがて軍吏に升(ノボ)されたり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)
    4. いい気にさせる。おだてる。また、夢中にさせる。
      1. [初出の実例]「今もあだめく女郎、色あるおとこにのぼしたてられなば」(出典:評判記・色道大鏡(1678)六)
    5. ことばにして表わす。取り上げて示す。また、物事を公の場に出す。「梓(し)に上す」「舞台に上す」
      1. [初出の実例]「欽哉の好んで口に上(ノボ)すのは、〈略〉形而上の話題が多い」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春)
    6. ある事を頭に浮かべる。
      1. [初出の実例]「わが隣にゐる昔の人を、〈略〉全く意識に上(ノボ)す暇もなく」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石〉帰ってから)
  3. [ 3 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 ぼうっとなる。上気する。
    1. [初出の実例]「買ひ手のお身もすたらず女郎ものぼさぬ様に、梶を取が引舟目の」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中)

かみ‐・す【上】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙 ( 「かみ」は、台所などの「しも(下)」に対していう ) 座敷奥向きなどの仕事をする。特に、揚屋(あげや)などで、夜具始末や座敷の掃除をして客の世話をする。
    1. [初出の実例]「上(カミ)する女に心を合はせ」(出典:浮世草子好色一代男(1682)六)

うえ【上】 す

  1. 上に立つ。
    1. [初出の実例]「天下の政(まつりごと)御辺信頼執行(とりおこな)はむに、上(ウヘ)する者あるべからず」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)上)

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