上唇(読み)ジョウシン

精選版 日本国語大辞典 「上唇」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しんジャウ‥【上唇】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上くちびる。〔解体新書(1774)〕
  3. 昆虫の口器の一部。頭壁から下方に突き出し、大あごを前方からおおう板状の小片。咬み型の口器をもつ種類によく発達。〔生物学語彙(1884)〕
  4. ラン科などの花の唇弁がくびれなどで二部分に区別できるとき、上方の部分をいう。

うわ‐くちびるうは‥【上唇】

  1. 〘 名詞 〙 上の方のくちびる。うわくちびろ。⇔下唇。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「賤しげなる八字髯の上唇(ウハクチビル)を蔽はむばかり」(出典:化銀杏(1896)〈泉鏡花〉八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上唇」の意味・わかりやすい解説

上唇
じょうしん
labrum

昆虫の口器を構成する板状小片。頭楯より下方に突出する。可動性で大顎前面からおおう。噛み型口器をもつ昆虫類によく発達している。ムカデ類ヤスデ類にもみられる。

上唇
じょうしん
epichile

いわゆる唇形花の唇弁が2部分にくびれて分れているとき,その前方あるいは外側の部分をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の上唇の言及

【口器】より

…付属肢は1対ずつあるのが原型であるが,口器では二次的に癒合するものもある。甲殻類や多足類の口器は一つの上唇,1対の大あご,1対ずつの第1・第2小あごからなり,高等なものには何対かの顎脚が加わる。昆虫類では上唇・大あご・小あご・下唇・下咽頭(舌)からなっていて,1対の下唇は真ん中で癒合する。…

【唇】より

…哺乳類の口の上および下の縁をなす軟らかくて可動性の大きい部分。上の縁を上唇(じようしん),下の縁を下唇(かしん)という。一般に上下のあごをもつ脊椎動物で口の上下の縁を便宜的に上唇・下唇とよぶことがあるが,厳密な意味での口唇は哺乳類特有のものである。…

【口器】より

…付属肢は1対ずつあるのが原型であるが,口器では二次的に癒合するものもある。甲殻類や多足類の口器は一つの上唇,1対の大あご,1対ずつの第1・第2小あごからなり,高等なものには何対かの顎脚が加わる。昆虫類では上唇・大あご・小あご・下唇・下咽頭(舌)からなっていて,1対の下唇は真ん中で癒合する。…

※「上唇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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