下唇(読み)かしん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

下唇
かしん

(1) labium 節足動物口器の一部分。昆虫類では小顎後方のを形づくる。単一片のようにみえるが,頭部付属肢の最後方の部分で,本来左右1対のものが中央線で癒合している。甲殻類の下唇は頭部腹面の皮膚の突起で,上唇に対立して口の前後の壁をなす。 (2) hypochile いわゆる唇形花 (→唇形花冠 ) の主要花弁である唇弁が2部分にくびれている場合の内方の部分をいう。

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デジタル大辞泉の解説

か‐しん【下唇】

したくちびる。⇔上唇
昆虫の口器の一部。小あごの後方にある。
唇形花(しんけいか)の下方の部分。⇔上唇

した‐くちびる【下唇】

下側の唇。⇔上唇

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大辞林 第三版の解説

かしん【下唇】

下のくちびる。
節足動物の口器の一部。昆虫では小顎こあごの後方にあり、頭部付属肢の最後方のものが変形したもの。甲殻類では大顎の後方に位置し、皮膚の突起物からなる。 → 大顎小顎
唇形花冠または唇形の萼の下側の部分。 ⇔ 上唇唇形花冠

したくちびる【下唇】

下側のくちびる。 ⇔ 上唇うわくちびる

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精選版 日本国語大辞典の解説

か‐しん【下唇】

〘名〙
① 下のくちびる。
※解体新書(1774)二「下唇者、在頷上
② シソ科植物の花冠の下方の部分。
③ ミズニラ科ミズニラ属植物の胞子嚢(ほうしのう)にできる小舌。
④ 節足動物の口器の一部。昆虫にあるものは、頭部の付属肢から変化した第二小顎が合一したもので、甲殻類のものは付属肢が変化したものではなく、上唇に対立して口の前後の壁をなすもの。〔生物学語彙(1884)〕

した‐くちびる【下唇】

〘名〙 下側の方のくちびる。〔名語記(1275)〕
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「可笑しく下唇を突出してムッと口を結んで」

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世界大百科事典内の下唇の言及

【唇】より

…哺乳類の口の上および下の縁をなす軟らかくて可動性の大きい部分。上の縁を上唇(じようしん),下の縁を下唇(かしん)という。一般に上下のあごをもつ脊椎動物で口の上下の縁を便宜的に上唇・下唇とよぶことがあるが,厳密な意味での口唇は哺乳類特有のものである。…

【口器】より

…甲殻類や多足類の口器は一つの上唇,1対の大あご,1対ずつの第1・第2小あごからなり,高等なものには何対かの顎脚が加わる。昆虫類では上唇・大あご・小あご・下唇・下咽頭(舌)からなっていて,1対の下唇は真ん中で癒合する。各部分の形状は昆虫の目(もく)や摂食習性によってひじょうに異なるが,そしゃく型と吸収型とに大別できる。…

【口器】より

…甲殻類や多足類の口器は一つの上唇,1対の大あご,1対ずつの第1・第2小あごからなり,高等なものには何対かの顎脚が加わる。昆虫類では上唇・大あご・小あご・下唇・下咽頭(舌)からなっていて,1対の下唇は真ん中で癒合する。各部分の形状は昆虫の目(もく)や摂食習性によってひじょうに異なるが,そしゃく型と吸収型とに大別できる。…

※「下唇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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