精選版 日本国語大辞典「上番」の解説
じょう‐ばん ジャウ‥【上番】
〘名〙
① 第一番。
※菅家文草(900頃)一・早春侍宴仁寿殿、同賦春雪映早梅「雪片花顔時一般、上番梅
待二追歓一」 〔杜甫‐三絶句〕

② 奈良時代、衛士(えじ)に任ぜられたものが、地方から京都にのぼって勤番すること。
※律(718)衛禁「凡宿衛人応二上番一不レ到」
③ 中世、奈良興福寺の門跡に仕えた下級の僧。上番法師。
※大乗院寺社雑事記‐長祿元年(1457)一一月一五日「仏供は上番に仰二付之一、燈明は小童に仰二付之一也」
※三代格‐四・弘仁四年(813)九月一九日「即停二長直一、一従二番上一。自レ茲上番下番」
※軍隊内務令(1943)一一〇「消防具を監守し毎月第一回上番の者は消防設備を点検す」
あがり‐ばん【上番】
〘名〙 近世、銭湯で上がり湯の湯船のそばにいて、客のために上がり湯をくむ仕事。また、その男。湯汲(ゆくみ)。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「湯汲の若者(わかいしゅ)のことを、上(アガ)り番(バン)と云って」
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