百科事典マイペディア 「上賀茂六郷」の意味・わかりやすい解説
上賀茂六郷【かみがもろくごう】
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中世賀茂別雷(かもわけいかずち)神社(上賀茂神社)の膝下神領であった河上・岡本・中村・小山・大宮・小野の6ヵ郷の総称。現,京都市北区・左京区のうち。1017年(寛仁1)の後一条天皇の行幸を機に,上賀茂・下鴨両社に対し,周辺愛宕郡内の地が4郷ずつ寄進され,上賀茂神社には賀茂・錦部・小野・大野の各郷があてられた。これが中世に至り編成替えされて上記の6郷となる。その時期は13世紀初期以前と見られる(賀茂旧記)。小野郷内の社領は神社から比較的離れ,かつ散在していて,例外的性格が強かったが,他の5郷は神社周辺に一円的にまとまっており,域内には諸神事料田や郷司・目代・図師・小使らの給田,それに140人の同社氏人に対し5郷に各1反の原則で配分された往来田(おうらいでん)などが入り組んで存在し,長く同社の強い支配がおよぼされた。1585年(天正13),89年の太閤検地で大幅に削減された。
執筆者:須磨 千穎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…蔣池直一《南柯記》(1814)が鎌倉末期の神主賀茂経久の日記を引いて記すところでは,1303年(嘉元1)に始まるという。年齢順に140名までの氏人が,人別5反の田地を,境内六郷(上賀茂六郷)のうち小野郷を除く河上・大宮・小山・中村・岡本の5郷に各1反ずつ支給されるのが原則であった。この田は罪科による闕所などの場合を除き終身用益を認められ,死去の際社中に返還,新たに従来受給資格のなかった〈無足〉の氏人のうちから,年齢次第に受給者が定められた。…
※「上賀茂六郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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