上陸用舟艇(読み)ジョウリクヨウシュウテイ(その他表記)landing craft

翻訳|landing craft

デジタル大辞泉 「上陸用舟艇」の意味・読み・例文・類語

じょうりくよう‐しゅうてい〔ジヤウリクヨウシウテイ〕【上陸用舟艇】

上陸作戦で用いる、輸送用の舟艇

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精選版 日本国語大辞典 「上陸用舟艇」の意味・読み・例文・類語

じょうりくよう‐しゅうていジャウリクシウテイ【上陸用舟艇】

  1. 〘 名詞 〙 上陸作戦に際して用いられる人員装備の輸送用舟艇。海浜に乗り上げ、艇首門扉前方へ倒して踏み板とし、揚陸を行なう。ホバークラフト型のものもある。
    1. [初出の実例]「あの母が手渡してくれた備前勝光という軍刀をふるって敵の上陸用舟艇の前に立ちはだかってみせよう」(出典:楡家の人びと(1964)〈北杜夫〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上陸用舟艇」の意味・わかりやすい解説

上陸用舟艇
じょうりくようしゅうてい
landing craft

揚陸艦艇のうち、満載排水量500トン以下で、航洋性がなく、揚陸艦、輸送船等により揚陸地点付近の海面に輸送され、そこで人員、兵器、車両、器材を搭載し海岸へ運び揚陸させる小型揚陸艇総称(揚陸艇より大型のものは揚陸艦という)。ほとんどのものが、海岸に擱坐(かくざ)し艇首の門扉兼踏み板を前方に倒して揚陸を行う。海岸到達後「キャタピラー」により砂浜にあがり、直接陸地内部まで人員を運ぶ水陸両用車両も上陸用舟艇と俗称されることが多い。日本陸軍が1920年代末に開発し、日中戦争から使用した大型発動艇および小型発動艇(略称大発、小発)が最初のもので、イギリスとアメリカはこれを研究して、第二次世界大戦中に中型の機動揚陸艇(LCM)、小型の車両人員揚陸艇(LCVP)など各種の上陸用舟艇を多数建造、使用した。現在の上陸用舟艇はほとんどがこれらの改良型である。速力は10ノット前後だが、その後、アメリカ、ソ連で50~80ノットのエアクッション型のものも実用化された。

[阿部安雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上陸用舟艇」の意味・わかりやすい解説

上陸用舟艇
じょうりくようしゅうてい
landing craft

上陸作戦に用いられる舟艇。揚陸艇とも呼ばれる。兵員,砲などを搭載し,接岸する能力をもっている。特に第2次世界大戦中,アメリカによって多くの種類がつくられ,発展した。日本の大型発動艇 (大発) ,アメリカの多目的揚陸艇 LCU,機械化部隊上陸用舟艇 LCUなどが代表的である。普通,箱形,平底。また,水陸両用の上陸用舟艇として,接地後,無限軌道で自力走行できるものもある。 (→揚陸艦 )

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百科事典マイペディア 「上陸用舟艇」の意味・わかりやすい解説

上陸用舟艇【じょうりくようしゅうてい】

小型の揚陸艦艇。大型揚陸艦に積載され,陸岸近くで進水,自力航走,接岸擱座(かくざ)(乗り上げること)して装備,兵員を揚陸する。長さ10〜20m,重量50トン程度までのものがある。戦車1台,兵員50名程度を載せる。日本の〈大発〉(大型発動艇)はその先駆。→LST

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世界大百科事典(旧版)内の上陸用舟艇の言及

【揚陸艦艇】より

…なお,文中の記号,種別名はアメリカ海軍のものである。(1)揚陸艇landing craft 基準排水量500トン以下の船で上陸用舟艇とも呼ぶ。(a)ビーチングし,船首から海岸に斜めの板(バウランプと呼ぶ)を降ろし揚陸させるもの。…

※「上陸用舟艇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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