デジタル大辞泉 「下官」の意味・読み・例文・類語 げ‐かん〔‐クワン〕【下官】 1 下級の官職。下級の官吏。2 役人が、自分のことをへりくだっていう語。卑官。「―退出」〈小右記・寛仁元年八月廿七日〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「下官」の意味・読み・例文・類語 げ‐かん‥クヮン【下官】 [ 1 ] 〘 名詞 〙① 下級の官職。下級の官吏。かかん。[初出の実例]「下官(げくゎん)の人を以て有様を見せむが為に彼の室へ遣る時に」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)[その他の文献]〔晉書‐毛宝伝〕② 身分の低い人。下賤の者。[初出の実例]「此国の片ゑ理府といへる所には、下官(ゲクハン)の男女、織物して渡世とする」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)四)[ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 自称。官吏が自分のことをへりくだっていう。[初出の実例]「下官対曰唯々敬奉二芳命一」(出典:万葉集(8C後)五・八五三・序文)「乗二御馬一令レ向二深草山陵一給、于レ時風吹雪散、寒気殊甚、尾張守忠教、左中将有賢、下官扈従」(出典:中右記‐寛治七年(1093)一二月二八日)下官の補助注記( [ 二 ]について ) ( 1 )中国の「遊仙窟」に多く見られるところから、唐代から盛行した口語・俗語であったと思われる。( 2 )日本では早く挙例の「万葉‐八五三・序文」があるが、万葉の知識人に広く読まれた「遊仙窟」的な表現が随所に見受けられるので、やはり唐代の口語・俗語の系譜を引いているものと考えられる。その後、「小右記」「中右記」など古記録に多用されて一般化した。 か‐かん‥クヮン【下官】 〘 名詞 〙 下級の官職。また、下級の官吏。げかん。〔日葡辞書(1603‐04)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「下官」の読み・字形・画数・意味 【下官】かかん(くわん) 下級の官吏。その自称。〔梁書、曹景宗伝〕高數(しばしば)功臣を讌見(えんけん)し、共に故を(い)ふ。景宗後(あやま)りれ、或いはつて下官と(い)ふ。高~以て笑樂と爲せり。字通「下」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報