精選版 日本国語大辞典 「下札」の意味・読み・例文・類語
さげ‐ふだ【下札】
- 〘 名詞 〙
- ① 下げた札。氏名、住所、所属などを書いて身につけたり、物につけて下げておく札。
- [初出の実例]「牌 サゲフダ」(出典:倭語類解(17C後‐18C初)軍器)
- ② =さげがみ(下紙)
- [初出の実例]「左問書答之下け札え、尚又再下け札にて弐冊添、土佐守より戻る」(出典:諸問屋再興調‐一・上・諸問屋諸株再興書面進達手続書(1848))
- ③ 江戸時代、決定された租額を村方へ通告する書付。年貢の割当状のこと。割付(わっぷ)。〔地方凡例録(1794)〕
- ④ 検地小帳(個人持土地抄本)の通称。
- ⑤ 江戸時代末、京都川東の花街に行なわれた、組合規約による営業停止の制裁。
- ⑥ 広く知らせる内容を書いた札をさげること。また、その札。
- [初出の実例]「此の切の名をお知らせ下さる御方には御礼として百両を差上申候と云ふ下げ札を致しました」(出典:落語・出世の鼻(1892)〈禽語楼小さん〉)