日本大百科全書(ニッポニカ) 「不動産仲介業」の意味・わかりやすい解説
不動産仲介業
ふどうさんちゅうかいぎょう
宅地建物取引業の俗称。宅地や建物(建物の一部を含む)の売買、交換または貸借の代理、仲介、斡旋(あっせん)行為を業務として行う営業である。不動産屋ともいう。不動産業のおもな業務は、(1)不動産の貸借および管理、(2)不動産の売買、(3)不動産の売買・貸借の仲介、(4)不動産の鑑定評価、(5)宅地・工場用地などの造成分譲、(6)保険代理業務、など多くの分野に分かれるが、このうち、もっぱら(3)のみを業務内容とするのが不動産仲介業である。不動産は土地に固定しているので、一般の商品や証券と異なり、特殊な流通システムをもつ。大規模な分譲地や分譲住宅、あるいは公営住宅のような公募制によるものを除き、民間の住宅、アパート、貸し間などは、大部分が不動産仲介業の情報によって、売買・貸借の仲介・斡旋が行われている。
不動産仲介業は、宅地建物取引業者として宅地建物取引業法の適用を受け、2以上の都道府県の区域内に事務所を置く場合は国土交通大臣の、1都道府県の区域内にのみ事務所を置く場合は都道府県知事の免許を受けなければならず、その事務所には、都道府県知事が行う宅地建物取引主任資格試験に合格した宅地建物取引主任者を置かなければならない。宅地建物取引業者は、信義を旨とし誠実にその業務を行わなければならず、誇大広告等の禁止、広告開始時期の制限、取引態様の明示、重要事項の説明等の規制を受ける。
[宮田三郎]