不況カルテル(読み)ふきょうカルテル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不況カルテル」の意味・わかりやすい解説

不況カルテル
ふきょうカルテル

1953年の独占禁止法改正によって,カルテル禁止の原則適用を受けず,適用除外カルテルとして認められることになった共同行為。ある商品の需給が著しく均衡を失ったために生じた不況事態,すなわち価格がその平均生産費を下回り,かつ当該商品を生産する事業者の相当部分の事業の継続が困難となるおそれのある状態が存在する場合に,この事態を克服するために必要な限度で,その商品を生産する事業者または事業者団体が,生産数量,販売数量などの制限にかかわる共同行為を行うことが認められる。この不況カルテルは,公正取引委員会の認可を受けた場合に初めて認められることになるが,その許可は (1) 不況カルテルが不況事態を克服するために必要な程度をこえていないこと,(2) 一般消費者および関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと,(3) 不当に差別的でないこと,(4) その共同行為に参加し,または共同行為から脱退することを不当に制限しないことを要件として行われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

期日前投票

期日前投票制度は、2003年6月11日公布、同年12月1日施行の改正公職選挙法によって創設された。投票は原則として投票日に行われるものであるが、この制度によって、選挙の公示日(告示日)の翌日から投票日...

期日前投票の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android