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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…違法カルテルに対する課徴金の制度が設けられるなど近年カルテル規制は強化される傾向にあるが,他方では特定の政策目的からカルテルを容認する政策も行われている。不況カルテル,輸出入カルテル,合理化カルテルをはじめ,特定の産業において容認されているカルテルなど,いわゆる独占禁止法の適用除外カルテルがこれである。さらに産業所管官庁によるいわゆる行政指導によって生産・設備等の調整がしばしば行われている点は,カルテル規制との関連で注目すべき点である。…
…しかし,種々の政策的必要に基づいてこれらの法律は制定されており,独禁法との衝突を避けるため,適用除外規定がおかれているのが特色である。 これらの法律はかなりの数にのぼるが,大分類をすると,(1)不況カルテル(独禁法24条の3に基づく不況カルテル),(2)合理化カルテル(独禁法24条の4),(3)輸出カルテル及び輸入カルテル(輸出入取引法),(4)中小企業関係カルテル(中小企業団体法,中小企業等協同組合法,環境衛生法,独禁法24条など),(5)運輸カルテル(海上運送法,道路運送法,航空法など),(6)保険カルテル(損害保険料率算出団体法,保険業法)などをあげることができる。以上によりカルテルを許容する法律のすべてがつくされたわけではないが,重要なものを列挙すると上のようになる。…
…ところが,1952年の綿紡績業界など通産省の勧告に基づく操業短縮が何回も行われた。また,独占禁止法も53年の改正によって,深刻な不況下では操業短縮協定などの生産制限協定は不況カルテルとして認められるようになった。 なお,政府の勧告による操業短縮を勧告操短といい,業界が話合いで行うものを自主操短という。…
※「不況カルテル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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