世の常(読み)ヨノツネ

デジタル大辞泉 「世の常」の意味・読み・例文・類語

よ‐の‐つね【世の常】

世間によくあること。「二度あることは三度あるのが世の常だ」
ごく普通であること。
「大きさはまず、―の猫ほどでもございましょうか」〈芥川地獄変
[類語]慣例通例定例恒例慣行習い習わし仕来しきた常例世の習い例によって例のごとし如し

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「世の常」の意味・読み・例文・類語

よ【世】 の 常(つね)

  1. 特別ではなく、ごく普通であること。また、そのような時。一とおり。世間並み。平常平素。尋常。
    1. [初出の実例]「尋常(よのつね)に聞くは苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ」(出典万葉集(8C後)八・一四四七)
    2. 「中納言、法師になり給ひにしこそあはれなりしか。桜などちりぬるも、なほ世のつねなりや」(出典:枕草子(10C終)三五)
  2. ( 言葉などが平凡すぎて、事態を十分に表現できない意から ) …というのでは不十分。…どころではないさま。おろか。
    1. [初出の実例]「ただ、それなる御有様に、あさましとは、よのつね也」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)

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