世の習い(読み)ヨノナライ

デジタル大辞泉 「世の習い」の意味・読み・例文・類語

よ‐の‐ならい〔‐ならひ〕【世の習い】

世間のならわし。世間にありがちなこと。「栄えている者もいつかは滅びるのが世の習いだ」
[補説]作品名別項。→世の習い
[類語]慣例通例定例恒例慣行習い習わし仕来しきた常例世の常例によって例のごとし如し

よのならい【世の習い】[戯曲]

《原題The Way of the Worldコングリーブ戯曲。1700年初演ロンドン社交界舞台とする風刺喜劇。初演時には不評だったが、19世紀以降に再評価された。

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精選版 日本国語大辞典 「世の習い」の意味・読み・例文・類語

よ【世】 の 習(なら)

  1. 世間で普通のこと。世間のならわし。世間の習慣。世の常。よならい。
    1. [初出の実例]「世のならひも常なく見ゆるは」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)匂宮)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「世の習い」の意味・わかりやすい解説

世の習い
よのならい
The Way of the World

イギリス劇作家コングリーブの喜劇。1700年初演。社交界のだて男ミラベルが華やかな女性関係と財産をめぐる人々の陰謀を切り抜けて、ミラマントという才色兼備の女を手に入れる物語で、イギリス風習喜劇典型。比喩(ひゆ)や格言が頻出する機知に富んだ文体で書かれ、知的で洗練された笑いに満ちているが、他方、筋があまりに複雑で、しかも中心人物が行動よりも批判に傾くため、全体として冷たい感じを与える。初演は不評だったが、その後はたびたび上演されている。

[喜志哲雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世の習い」の意味・わかりやすい解説

世の習い
よのならい
The Way of the World

イギリスの劇作家 W.コングリーブの喜劇。5幕。 1700年リンカーンズ・イン・フィールド劇場で,T.ベタートン主演により初演。恋のたくらみや嫉妬を中心に,機知に富んだ会話で 17世紀のロンドン社交界を描き出した風習喜劇代表作。初演当時は不評であったが,19世紀に入って W.ハズリットや A.スウィンバーンらに激賞された。

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世界大百科事典(旧版)内の世の習いの言及

【コングリーブ】より

…王政復古期における喜劇を代表する作家の一人。《独身の老人》《二枚舌の男》(ともに1693初演),《愛には愛を》(1695初演),《世の習い》(1700初演)の喜劇4編は,いずれも当時の社交界の男女関係を機知に富み洗練された文体で描いたものである。特に,過度の知性をそなえた男女の恋のかけひきを扱う《世の習い》は,イギリス風習喜劇の最高傑作の一つとされる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」