世知原(読み)せちばる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「世知原」の意味・わかりやすい解説

世知原
せちばる

長崎県北部に位置し、北松浦(きたまつうら)郡にあった旧町名(世知原町(ちょう))。現在は佐世保市(させぼし)の北東端部を占める。旧世知原町は1940年(昭和15)町制施行。2005年(平成17)佐世保市に編入。旧世知原町は1892年(明治25)以降石炭開発に伴って発展国鉄世知原線を通じ、1953年(昭和28)には炭坑数119、年間出炭量281万トンを記録したが、1970年全鉱閉山し、国鉄は廃止された。閉山後は厚木ナイロンなど数社が誘致されている。東方、佐賀県境に名峰国見山(くにみやま)(777メートル)を有し、西に広がる溶岩台地にはヒノキ造林が進み、茶園が開かれている。板山(いたやま)、鷹取(たかとり)では大規模茶園が経営され、大型茶工場を有し、世知原茶の名がある。山腹や台地斜面には棚田が発達、米作が盛んであるが、長田代(ながたしろ)、北川内(きたがわうち)、開作(かいさく)などでは地すべりが多発している。国見山は佐賀県ならびに北松(ほくしょう)溶岩台地を望む絶佳の地で、中腹に国民宿舎国見山荘がある。

[石井泰義]

『『世知原町郷土史』(1956・世知原町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世知原」の意味・わかりやすい解説

世知原
せちばる

長崎県北部,佐世保市東部の旧町域。北松浦半島の東部,佐々川上流域の内陸小盆地を中心に広がる。東で佐賀県に接する。 1940年町制。 2005年佐世保市に編入。 1892年以来炭鉱の町として発展。最盛期の 1960年には人口約1万 2000を数えたが 1970年閉山。米作と畜産が中心。周辺の丘陵地で世知原茶を特産。炭鉱の閉山後は繊維などの工業が誘致された。佐賀県境の国見山 (777m) は北松県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「世知原」の意味・わかりやすい解説

世知原[町]【せちばる】

長崎県北部,北松浦半島中部の北松浦郡の旧町。明治中期以後炭鉱町として発展したが,現在はすべて閉山。佐々川流域で農業が行われ,茶を特産。2005年4月北松浦郡吉井町と佐世保市へ編入。32.02km2。4178人(2003)。

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世知原 (せちばる)

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