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九州北西部にある半島。佐賀県伊万里市と長崎県佐世保市早岐(はいき)を結ぶ有田川と小森川の両河谷から西へ広がる。行政的には佐世保・松浦両市を含めて,大部分が長崎県に属する。地形は第三紀層の上に玄武岩が広く分布する溶岩台地で,東部の国見山(777m)を最高に,西へしだいに高度を下げ,西端は九十九島(くじゆうくしま)の沈水海岸に移行する。溶岩台地は断層に伴う河谷の浸食によって,メサ状に数多くの台地に分離している。各台地の谷壁は,上部の玄武岩露出部分で急崖を,下部の第三紀層部分で緩斜面を形成し,両者の境界に豊富な湧水があって,この湧水点以下の緩斜面には棚田が発達する。同時にそこは地すべり多発地帯となっている。また第三紀層の佐世保層群中にある石炭を求めて,明治以降多数の坑道が開かれ,佐世保炭田が形成された。稼行炭鉱数は最盛時の1958年ころには98を数えたが,大部分が中小零細資本による採炭であった。1970年にはまったく姿を消し,炭鉱跡地には県外企業の繊維,衣服工業関係の工場が立地している。地域振興のため,園芸農業や栽培漁業などが行われている。西海岸は西海国立公園に含まれ,恵まれた自然と元寇や倭寇などの史跡を生かして観光開発が進められている。
執筆者:竹内 清文
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九州本島の北西部にある半島。長崎県佐世保(させぼ)市早岐(はいき)と佐賀県伊万里(いまり)市を結ぶ線(有田川河谷)以西に広がる。北は壱岐水道(いきすいどう)に面し、西は平戸(ひらど)瀬戸を隔てて平戸島に対し、北東部に伊万里湾、南に佐世保湾の湾入がある。半島の東には国見山(くにみ)(最高峰776メートル)など南北に走る国見山地があり、山地は西方に向かってしだいに低くなり、九十九(くじゅうく)島の沈降海岸に終わっている。全域にわたり第三紀層の丘陵上に玄武岩が噴出した台地地形(北松(ほくしょう)溶岩台地)を示し、この台地はいくつかの断層によって切られ、志佐(しさ)川、佐々(さざ)川、江迎(えむかえ)川、相浦(あいのうら)川が発達し、北松溶岩台地はいくつかの台地に細分されている。それぞれの台地における上部の玄武岩は急崖(きゅうがい)、下部の第三紀層は山麓(さんろく)緩傾斜面をなし、両者の境界には湧水(ゆうすい)帯を生じ、緩傾斜面上には棚田(たなだ)が発達している。また、地すべりの多発地帯ともなっている。明治以来、第三紀層中の石炭を求めて北松炭田が発達したが、現在はまったく閉山している。半島は末羅国(まつらこく)の一部で、古代から対外的に重要な地域をなし、元寇(げんこう)や倭寇(わこう)などの史跡に富む。西岸は西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)に含まれ、国見山は北松県立公園(ほくしょうけんりつこうえん)(長崎県立自然公園)に指定されている。
[石井泰義]
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