中ノ口川(読み)なかのくちがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中ノ口川」の意味・わかりやすい解説

中ノ口川
なかのくちがわ

新潟県の中央、西蒲原(にしかんばら)郡と白根(しろね)市の境界をなす、信濃川(しなのがわ)三角州面の支流。州頂の燕(つばめ)市八王寺(はちおうじ)から新潟市西区大野町までの延長31.9キロメートルの間をいう。かつては三角州面の白根島と鎧(よろい)潟の間の州島の排水路をなす自然流であったが、中世直江兼続(かねつぐ)によって人工運河に改修され現在の流路に固定された。近世左岸の鎧潟郷は長岡、村上藩や天領、諸藩領に分割統治され、右岸の白根島は新発田(しばた)領に属し、諸藩の年貢米を新潟湊(みなと)に運ぶ河川交通路として重きをなし、燕、白根、大野などは河岸場(かしば)町としてにぎわった。沿岸蒲原平野穀倉地帯で、大型機械化農業が発達し、自然堤防上の諸村は蔬菜(そさい)、青果の生産地で、とくにブドウ、モモ、ナシの産地として全国的に有名である。

[山崎久雄]

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