九寺(読み)きゅうじ(英語表記)Jiu-si; Chiu-ssǔ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

九寺
きゅうじ
Jiu-si; Chiu-ssǔ

中国の官制。秦,以後の中央政府を構成した主要な政務機関。六朝時代にその長官を卿と呼び,官庁を寺と呼ぶようになったという。奉常 (漢では太常) は祭祀を,郎中令 (漢では光禄勲) は宮中の警固宿直を,衛尉は宮城の警備を,太僕は天子車馬牧畜を,廷尉は司法を,典客 (漢では大鴻臚) は諸侯蛮夷朝貢を,宗正は天子の一族を,治粟内史 (漢では大司農) は国家財政を,少府は皇室の財政をそれぞれ司った。六朝時代以後,天子直属の尚書が勢力を握り六部の組織が発達し,九寺と重複するようになり,隋,にはその六部の組織が確立して九寺の重要性は減じていった。

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大辞林 第三版の解説

きゅうじ【九寺】

九卿きゆうけいが統括した九つの官庁。

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精選版 日本国語大辞典の解説

きゅう‐じ キウ‥【九寺】

〘名〙 中国の官庁名。漢代、政務を総理する丞相の下で庶務を分掌した九卿(きゅうけい)が、それぞれ統括した九つの官署。

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世界大百科事典内の九寺の言及

【漢】より


[郡国制と中央集権体制の確立]
 劉邦(高祖)は前202年に皇帝の位につくと,秦の統治方式を踏襲して中央集権的な官僚制と郡県制を施行した。すなわち皇帝の下に行政・軍事・監察の最高責任者として丞相・太尉・御史大夫のいわゆる三公をおき,政務分担機関として太常(儀礼祭祀),光禄勲(宮殿警備),衛尉(宮門警備),太僕(車馬),廷尉(司法),大鴻臚(外交),宗正(宗室),大司農(国家財政),少府(帝室財政)の九卿(きゆうけい)(九寺)をおいて中央政府を構成した。いっぽう地方は大きく郡に分けられ,郡の下には県がおかれた。…

【中国】より

…つまり中央政府は内閣・六部というのが根幹の体制であるが,しかし清朝になると軍機密保持の便宜上,天子の側近にさらに軍機処(参謀本部)が設けられ,これがいつしか恒常的な政務機構となって,内閣の取り扱うべき政務を軍機処が扱うようになり,内閣は有名無実のごとくなったが,旧中国の特徴として,いったん存在しはじめた内閣を廃止してしまうことはしない。このような,誰が考えても任務や権限が重複し,実質的に無用に帰した官庁を廃止しようとせず,いつまでも存しておくのは,例えば2000年前,漢代の九寺という行政最高官庁(法務庁たる大理寺,対属国外務庁たる鴻臚(こうろ)寺など)が六部その他と重複するにもかかわらず,重複したままで,ごく一部分でも職務を分け与えて,歴代綿々として存続せしめられたごとき,今日の常識からは到底理解できない。その繁雑さには中国史の専門家でも音をあげてしまう。…

※「九寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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