九経(読み)キュウケイ

デジタル大辞泉 「九経」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐けい〔キウ‐〕【九経】

中国の9種の経書。「詩経しきょう」「書経」「易経」「儀礼ぎらい」「礼記らいき」「周礼しゅらい」「春秋左氏伝」「春秋公羊伝くようでん」「春秋穀梁伝こくりょうでん」。一説に、「易経」「詩経」「書経」「礼記」「春秋」「孝経」「論語」「孟子」「周礼」をいう。きゅうきょう。
昔、中国で、天下を治める九つの道。身を修め、賢を尊び、親に親しみ、大臣を敬い、群臣と交わり、庶民を子とし、百工を招来し、遠人を柔らげ、諸侯をなつけること。

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精選版 日本国語大辞典 「九経」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐けいキウ‥【九経】

  1. [ 1 ] 古代中国の経書九種の総称。「漢書‐芸文志」では易経、書経、詩経、礼、楽経、春秋、論語、孝経、小学をいうが、その他諸説があり、通常は唐の科挙の明経科に示す、易、書、詩に三礼(周礼、儀礼、礼記)、春秋三伝(左伝、公羊伝、穀梁伝)を加えたものをいう。きゅうきょう。〔台記‐康治二年(1143)一二月七日〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 天下を治める九つの道。身を修め、賢を尊び、親に親しみ、大臣を敬い、群臣に交わり、庶民を子とし、百工を来たし、遠人を柔らげ、諸侯を手なずけること。
    1. [初出の実例]「以上の九経(キウケイ)ひとつもかけてはあしからんぞ」(出典:寸鉄録(1606))
    2. [その他の文献]〔礼記‐中庸〕

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世界大百科事典(旧版)内の九経の言及

【十三経注疏】より

…すべて唐代のことである。〈伝〉はもともと経を解釈した釈義書のことであるが,春秋経と不可分の関係をもつがゆえに,経の一部として価値づけられ,また《周礼》《儀礼》を含むことによって,総体としての〈礼〉が意味づけられ,ここに解釈を通して五経の実体化がなされ,数量化されると九経という。 宋代になると,本来の経書であるか否かは問われず,経書にかかわる度合が多角的に勘案されて,経の概念が拡大され,一家の言を集めた《論語》《孝経》,諸子の一部であった《孟子》,経書を解釈するための字書である《爾雅》までが経書として価値づけられ,勅命による正義が作られるにいたった。…

※「九経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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