…すべて唐代のことである。〈伝〉はもともと経を解釈した釈義書のことであるが,春秋経と不可分の関係をもつがゆえに,経の一部として価値づけられ,また《周礼》《儀礼》を含むことによって,総体としての〈礼〉が意味づけられ,ここに解釈を通して五経の実体化がなされ,数量化されると九経という。 宋代になると,本来の経書であるか否かは問われず,経書にかかわる度合が多角的に勘案されて,経の概念が拡大され,一家の言を集めた《論語》《孝経》,諸子の一部であった《孟子》,経書を解釈するための字書である《爾雅》までが経書として価値づけられ,勅命による正義が作られるにいたった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」