おもに学部や研究科等の単位における事務部門の長に用いられる職位。図書館や附置研究所,各種センターに配置されることもある。2004年(平成16)の法人化以前における国立大学では,本部事務局を頂点としつつ各学部等に部局事務局を設置するという階層的な体制を採っていた。本部事務局には事務局長,部長,課長,課長補佐など,部局事務局には事務長,事務長補佐,係長などが配置された。事務局長をはじめとする課長以上の要職には文部科学省から派遣される異動官職が就き,いわゆる生え抜きの事務職員にとって昇進の上限は事務長ほどまでであった。法人化以降,課長職以上への生え抜きの昇進が徐々にみられるようになってきた。他方で,2000年代以降,業務の効率化や組織のスリム化の観点から,私立大学を中心として学部や研究科に分散した事務室等と全学的な教務系組織,および共通教育に関わる事務組織等の統合・再編が進められている。それゆえ,私立大学では学部や研究科などの単位で事務長が配置されない場合も珍しくない。
著者: 橋場論
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
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