日本大百科全書(ニッポニカ) 「二ツ井」の意味・わかりやすい解説
二ツ井
ふたつい
秋田県北部、山本郡にあった旧町名(二ツ井町(まち))。現在は能代(のしろ)市二ツ井町で、市の東半分を占める。米代(よねしろ)川と藤琴(ふじこと)川の合流点に位置する。旧二ツ井町は、1889年(明治22)に比井野(ひいの)、薄井(うすい)の2村が合併して二ツ井村となり、1902年(明治35)町制施行。1955年(昭和30)荷上場(にあげば)、種梅(たねうめ)、富根(とみね)、響(ひびき)の4村と合併。2006年(平成18)能代市に合併。JR奥羽本線、国道7号(羽州街道)が通じる。2007年には秋田自動車道が延長され、二ツ井白神インターチェンジが設置された。荷上場は江戸時代に羽州街道の宿駅で、1901年の鉄道開通までは米代川右岸の重要な河港の一つでもあり、1896年には登録船35隻を数えた。地域の約75%が山林原野で、その50%は国有林が占める。天然の秋田杉は減少している。きみまち阪はサクラと紅葉の名所として知られ、県立自然公園に指定されている。
[宮崎禮次郎]
『『二ツ井町史』(1977・二ツ井町)』