二筋道(読み)フタスジミチ

デジタル大辞泉 「二筋道」の意味・読み・例文・類語

ふたすじ‐みち〔ふたすぢ‐〕【二筋道】

2本の道。
わかれ道。「人生二筋道に迷う」
[類語]岐路分かれ道枝道横道脇道間道

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精選版 日本国語大辞典 「二筋道」の意味・読み・例文・類語

ふたすじ‐みち ふたすぢ‥【二筋道】

〘名〙
二本の道。
※長唄・春の色(1845)「色と酒との二筋道を、先へ狂ふか隅田の蝶」
ふたつにわかれた道。わかれみち。岐路。
洒落本傾城買二筋道(1798)自跋「二筋道とは、世に行るるの大道の善にあらで、右も左も銀世界

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「二筋道」の意味・わかりやすい解説

二筋道
ふたすじみち

新派戯曲。瀬戸英一作。1931年(昭和6)11月東京・明治座初演。芸者の喜代次は生糸商阿久津に引かされたが、不況で阿久津が破産すると、冷たい本妻への意地ずくからふたたび左づまをとり阿久津を養う。朋輩(ほうばい)のおすがは阿久津のために別れろと意見をする。当時松竹社長だった大谷竹次郎のたてた案を、座付作者の瀬戸英一が伊井容峰(ようほう)(阿久津)、喜多村緑郎(きたむらろくろう)(喜代次)、河合武雄(かわいたけお)(おすが)、花柳(はなやぎ)章太郎(桂子)らにあてて書き下ろし、俳優も各自長所を発揮した結果、凋落(ちょうらく)のどん底にあった新派は勢いを盛り返した。翌32年12月の『二筋道其後(そのご)』まで計八編書き継がれ、同年3月には花柳扮(ふん)する快活な芸者を中心にした『桂子の場合』が独立して上演されるほどの人気であった。

[土岐迪子]

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