江戸時代の領民調査をいう。戦国期から織豊(しょくほう)政権期にかけて、領主が領内の農民を把握する目的で施行したのに始まり、江戸初期には盛んに行われた。元和(げんな)・寛永(かんえい)期(1615~44)に細川氏が小倉(こくら)藩および熊本藩で実施した人畜改と称するものが著名である。これらは農民からの夫役(ぶやく)徴収を目的としたものであって、かならずしも全領民を把握するものではなかったが、やがて1671年(寛文11)宗旨人別帳の作成が制度化されると、宗門改とあわせ行うため全住民が把握されるようになった。これらは藩などの支配領域別のものであるが、1726年(享保11)以降、子(ね)・午(うま)の年ごとの全国的人別改が命ぜられて、初めて全国的人口調査の性格をもつものが実施された。しかしこれも、調査期日に幅があり、農工商のみを対象とし、また15歳以下や被差別民を除外した場合もあって、完全な人口調査とはいえない。
[大桑 斉]
戦国期~江戸時代,領主が領民の把握と夫役(ぶやく)徴発のために行った戸口調査。これにもとづいて人別(改)帳が作成された。戦国期,領国大名が成立する際に,各大名は領民の戸口調査を実施した。全国制覇をとげた豊臣秀吉も,1592年(文禄元)関白秀次の名で全国の大名に家数・人数の一斉調査を命じた。兵農分離の確立した江戸時代には,領内統治の必要からより進展し,幕府代官所や諸藩は村・町ごとに家数・人数・性別・年齢などを調査した。1671年(寛文11)以降は幕府の命により人別改と宗門改とが結びつき,原則として毎年,全国的に実施されるようになる。これをもとに1726年(享保11)から全国的な人口調査も子・午年の6年ごとに行われた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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