ひと‐だまい ‥だまひ【人給】
〘名〙 (「ひとたまい」とも)
①
高位の人が下の人々に物を与えること。また、そのもの。
※
西宮記(969頃)三「内給廿人、〈略〉人給在
二此中
一者、無
二尻付
一」
③
従者に貸し与える
牛車(ぎっしゃ)。随行者の乗る車。
副車(そえぐるま)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※
源氏(1001‐14頃)薄雲「人だまひに、よろしき
若人(わらは)などのせて」
にん‐きゅう ‥キフ【人給】
※
吉田神社文書‐建長四年(1252)
五月・小槻淳方神判下知状「早除
二人給等
一之外、支配段別任
二員数
一期日以前無
二懈怠
一可
レ令
二沙汰進
一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の人給の言及
【給田】より
…日本中世の歴史用語。人給(にんきゆう)とも呼ばれ,中世の荘園制社会のもとで荘官などに対し,職務の報酬として与えられた一定の土地を意味する。これらの給田畠は年貢・公事が免除される除田(じよでん)で年貢・公事は給主の手に入り,地頭給田の場合には地頭がその土地の下地進止権をもったといわれる。…
【検注帳】より
…次が〈仏神田〉であって,荘内の神社・仏寺の経営・行事のための費用を書きあげる。その次が〈人給〉と称する項目で,荘園における諸代官の給分などが含まれる。以上が一般的なものであるが,荘園の事情により〈井料〉などの灌漑費がこれに含まれる場合が多い。…
※「人給」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」