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介護食品 かいごしょくひん

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知恵蔵2015の解説

介護食品

噛む、飲み込むなど食べる力が落ちた高齢者向けの食品。厚生労働省が許可する特別用途食品(高齢者用食品)の範疇には入らないが、ベビーフードや病院給食の技術を生かし、嚥下(えんげ)しやすいのが特徴で、レトルト冷凍食品方式が主流。主食、おかずデザートなど多様。

(中島富美子 フード・ジャーナリスト / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

介護食品
かいごしょくひん

かむ、飲み込むといった食機能に問題のある人や障害をもつ人、低栄養状態の人などが食べやすいように加工され、栄養が管理された食品の総称。かむ力や飲み込む力が弱い人でも食べられるペースト状の食品から、高齢者などが低栄養や介護状態になることを防ぐためにとる食事の補助的な食品まで、幅広く浸透しつつある。介護食品の種類が豊富になる反面、これまで定義が不明瞭(ふめいりょう)であったため、利用者にとって適切な選び方がわかりにくく問題となっていた。一部の食品メーカーや大手スーパーなどは、ユニバーサルデザインフードに代表されるような自主規格を定め、消費者に内容を表示してきた。
 そのため、農林水産省は2015年度(平成27)より介護食品の状態をわかりやすく示した選び方の独自基準を導入。新しい介護食品の愛称はスマイルケア食。スマイルケア食の区分は、かむ力と飲み込む力の状態に応じて、以下の7段階に区分されている。(1)青D かむ力や飲み込む力に問題のない人が低栄養化の予防などのために選ぶ食品。通常は管理栄養士の指示で個別に選択する。(2)黄A かむ力や飲み込む力がやや弱い人がかんで食べられる食品で、固さやばらけやすさなどのないもの。(3)黄B かむ力が弱く、飲み込む力はやや弱い人が、歯ぐきでつぶして食べられる程度に柔らかく加工され、固さやばらけやすさなどのないもの。(4)黄C かむ力がとても弱く、飲み込む力の弱い人が、食材の形はあるが、舌と口蓋(こうがい)で挟んで押しつぶして食べられるもの。離水(口に入れたときに食品から出る水分。少ないほうが望ましい)に配慮した粥(かゆ)などが中心。(5)赤A かむ力も飲み込む力もとても弱い人が、スプーンですくって食べられるペースト状の食品。(6)赤B かむ力も飲み込む力もとても弱い人のため、均質で、付着性、凝集性、固さ、離水に配慮したゼリーやムース状の食品。(7)赤C かむ力も飲み込む力もとても弱い人のため、均質で、付着性、凝集性、固さに配慮したゼリーで、離水が少なく、スライスしてすくうことが可能な食品。これらの選び方の基準は、介護施設や医療機関、一般向けに共通して利用できるうえ、小売り向けのレトルト食品や冷凍食品といった加工食品、個々の食品を組み合わせた弁当や配食サービスなどにも広く導入されることが見込まれている。
 2023年には、65歳以上の高齢者人口が3人に1人になると予測(総務省人口推計)されており、超高齢化社会の到来によって介護食品市場は急速に拡大する。農林水産省の試算によれば、一般向けの介護食品市場には2.8兆円規模の潜在的なニーズがあるという。国立長寿医療研究センターの調査によれば、在宅療養患者である高齢者の栄養状態は、7割以上が低栄養か、そのおそれのある状態となっているとされる。一方で、高齢者の在宅療養患者においては、栄養状態がよくなるほど死亡リスクが低くなる有意な関連が確認されている。従来の介護食品は、病気の治療食や病院食などと同じものととらえられていることが多かった。利用する人が手にとりやすくすることで、低栄養の予防などにも役だつ日常的な食事の選択肢として広がることが期待されている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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