六訂版 家庭医学大全科 「仮性半陰陽」の解説
仮性半陰陽
かせいはんいんよう
Pseudo-hermaphroditism
(子どもの病気)
どんな病気か
真性(しんせい)半陰陽に対して用いられる病名で、真性半陰陽が
①男性仮性半陰陽
染色体が男性で、外性器が女性を示すものです。
②女性仮性半陰陽
染色体が女性で、外性器が男性を示すものです。
原因は何か
男性仮性半陰陽は胎児に男性ホルモンが作用しなかったり、男性を決定づける遺伝子が作用しなかったりして起こります。男性ホルモン合成障害を来す病気や男性ホルモンを活性化する酵素の欠損症などが原因になります。
女性仮性半陰陽は胎児の早い時期(妊娠12週くらいまで)に大量の男性ホルモンが作用して起こると考えられ、多くは副腎皮質ホルモンをつくる酵素に異常のある先天性副腎過形成症(ふくじんかけいせいしょう)が原因です。
症状の現れ方
男性仮性半陰陽では
検査と診断
新生児の時の診察で外陰部の異常が認められたら、染色体分析検査、性ホルモンの測定、副腎皮質ホルモンの測定や超音波検査、X線造影検査、CTやMRI検査による男性性器、女性性器の存在確認を行います。
治療の方法
原因として多い先天性副腎過形成症の場合には、内服薬によって不足しているホルモンを補充します。また、外陰部の外観によっては性器の形成術(たとえば女性仮性半陰陽なら腟形成術)を行います。
病気に気づいたらどうする
多くは新生児期に医師や看護師によって発見されますが、もしも軽症で発見されなかった場合や、外陰部の外観が異常(男児でおちんちんが小さい、女児でおちんちんがあるようにみえる、など)や女児で二次性徴がなかなかみられないといった場合には、すぐに小児科医に相談してください。
関連項目
金子 一成
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報